4月1日から本格稼働する新たなごみ焼却処理施設「川崎市橘処理センター」(高津区新作)の完成式典が3月22日に開催され、一般内覧会では約350人の市民が真新しい施設を見学した。
橘処理センターは老朽化のため2014年度末で稼働を休止し、解体・撤去のうえ新たな建設工事を進めていた。建物は昨年秋に完成し、新年度からの本格稼働に向けて設備の試運転を続けていた。完成式典には福田紀彦市長らが出席。午後から市民向けに施設内が公開された。
市の担当者によれば、新施設ではエネルギー効率の高い機器や環境への負荷を低減する設備を採用。収集車が構内に入る際にごみの重量を正確に把握することで燃焼計画を適正化するシステムや、焼却時に発生する熱エネルギーで発電し、施設内の電力を賄いつつ余剰分を電力会社に販売するしくみも構築した。
内覧会には周辺住民や、親子連れも多く見られた。集められたごみを焼却炉へと移動させる「ごみクレーン」のエリアでは、巨大なクレーンがごみをつかんで持ち上げるたびに歓声がわいた。多摩区から2歳の長女と訪れた男性会社員は「ごみ処理施設の見学は小学生以来。ごみの量に驚いた」と話していた。
一方、この日の午後2時半ごろ、センター内の15人乗りエレベーターで故障が発生し、子供3人を含む来場者6人が約40分間、閉じ込められた。来場者がエレベーターで4階から1階へ降りる途中、2階で停止したため、非常時ボタンを押して救助を要請。メーカー技術者らが手動で扉を開けて救助した。6人にけがはなかった。
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