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公開日:2016.06.03
川崎市
介護事業所に成功報酬
現行制度に一石
介護サービス利用者の要介護度を改善した事業所に、成功報酬として報奨金を付与する新しい制度を川崎市が7月から開始する。これまでの制度の矛盾を解消し、事業者の意欲を高めて介護保険給付費を抑制するのが狙いだ。
現在の介護保険制度は要介護度に応じて、事業者に支払われる介護報酬が設定されている。介護サービス利用者の要介護度が高いほど報酬は高くなるが、要介護度が改善された場合、評価に反して報酬は減る。
これに対し、市は利用者の要介護度が改善または維持が図られた場合、事業者に対して独自の報酬であるインセンティブを与える新しい仕組みを検討。「かわさき健幸福寿プロジェクト」として7月1日から来年6月30日までの1年間を評価対象にする。事業者の意欲を高めることで利用者の要介護度が改善され、介護保険給付費を抑制につなげたい考えだ。
市は実施に際して参加事業所数や改善した人数の数値目標を定め、それに基づき評価する。インセンティブについては改善が認められた場合に、翌年9月に報奨金として1事業所につき5万円程度を拠出するほか、評価に応じ、市長表彰や成果を上げたことを示す認証シールの授与、市公式ウェブサイトへの掲載等を行う。
幸区にある地域包括支援センターのセンター長の1人は「利用者の健康維持に繋がるので良い取り組みだと感じる」と話し、「報酬が支払われる仕組みが複雑なため、現場での制度の周知が必要」と語った。
市の担当者は「報奨金のほか、認証シールやサイト掲載により、事業所の信頼を高めるメリットにつながればいい」と話している。
制度開始記念イベント
市は、同プロジェクト開始を記念したイベントを7月8日(金)、エポックなかはら(中原区)で開く。午後2時から4時まで。入場無料で申し込み不要。定員は570人。義母の介護経験がある洋画家の城戸真亜子さんが登壇し、「心をつなぐ介護日記」と題して講演するほか、市が同プロジェクトの概要を説明する。
イベントの問い合わせは同プロジェクト事務局(【電話】045・461・3636)。
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