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藤沢 人物風土記

公開日:2026.07.03

開催100回目を迎える「きらり演芸館」を主催する社会人落語家 南部 忠恭さん 渡内在住 84歳

  • 南部 忠恭さん (写真1)

情緒の中に眠る「金言」

 ○…「落語は金に値するほど役に立つ話が、おもしろさの中に詰まっている」。そんな思いから「金言亭桜楽」を亭号に、社会人落語家として演じてきた。地域ささえあいセンターきらりでの公演会「きらり演芸館」はきょう、節目となる100回目を迎える。「楽しいときは楽しい、悲しいときは悲しい、という情緒を表現するのが落語の魅力。その中から生き方のヒントなど隠れているものも発見できる」とほほ笑む。

 ○…海軍の軍人だった父のもと、各地を転々としてきた。「スパルタな人だったが、『真っ当に生きろ』という教えは今まで自分を支える大切な柱となってきた」。大学卒業後は銀行に入行した。「モーレツ社員」として熱心に働き、50代で不動産デベロッパーの常務に就任。「与えられた役目に真剣に向き合ってきたからこそ、それが認められて今の自分があるんだと感じている」。これまでの自身の人生に確かな誇りを持つ。

 ○…落語とともに愛するのが「鉄道」だ。日本全国津々浦々、蒸気機関車を中心にあらゆる列車の写真を撮りに出かけ、写真集を上梓するほど熱中してきた。「出身地はどちらですか」。行員時代は会う人にそう問いかけ、豊富な電車や路線、駅周辺の知識を生かし、多くの人と仲を深めてきた。半世紀以上連れ添う妻と寝台列車「カシオペア」に乗車した記憶も、瑞々しく輝いている。

 ○…本格的に社会人落語に取り組んでから約20年。「打ち込んできたものがあって良かった。大切な友人もでき、老後のヒマはない」と笑う。「自分の落語を聞いて、楽しんで、喜んで、穏やかな時間を過ごしてもらえれば」。客席に広がる笑顔を思い浮かべながら、これからも高座に上がっていく。

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