2017年の年頭にあたり、本紙では福田紀彦市長に恒例の新春インタビューを行った。市長は、子育て環境の充実などを今年の重点施策に挙げるとともに新年の抱負を語った。
(聞き手 本紙・川崎支社長 原田一樹)
――あけましておめでとうございます。早速ですが昨年の川崎市はどんな年だったのか振り返りをお願いいたします。
「あけましておめでとうございます。国の人口が減少する中、川崎市では予測を上回る人口増加が続き、今年中には150万人に達する見込みです。特に子育て世代の転入が多く、若い方々に『選ばれる都市』として進化を続けています。
昨年は、市政の今後10年間の方向性と取り組みを定めた『総合計画』を策定しました。特に、今後さらなる高齢化やケアを必要とする方々が増えることが想定される中でも、みんなが安心して暮らし続けられる地域づくりが大変重要です。そのため、各区に『地域みまもり支援センター』を設置して、保健師など市職員がコーディネーターとなった、近所での顔の見える関係をつくり、お互いに支え合う取り組みである地域包括ケアシステムが本格的にスタートしています」
――ありがとうございます。今年取り組む施策について、「市民ファースト」の目線で語っていただけませんか。
「今年は、子育て環境をさらに充実させるため、この4月から小児医療費助成の対象を小学校6年生まで拡大し、待機児童対策にもより一層の力を入れていきます。また、ご期待をいただいておりました中学校給食も今年中に全ての中学校で温かく、おいしく、健康的な食習慣を身に付けてもらうための『健康給食』の提供を開始します。
熊本県をはじめ各地で大きな地震が発生しているほか、ゲリラ豪雨などの風水害も頻発しています。市として安全な避難・輸送ルートの確保や公的な備蓄内容の見直しなど、様々な取り組みを強化します。また、市民の皆様が防災意識を高めて備えることが大変重要となります。町内会・自治会などへ加入し、参加することによって日頃から地域で助け合う体制を整えていただくことを強くお願いします。
新しい施設としては、川崎区の富士見地区に体育館と2013席の大ホールを併設したスポーツ・文化総合センターをオープンし、川崎駅の北口自由通路をはじめ、市内の主要駅での改良などの交通環境の整備を推進します。
羽田空港と川崎を結ぶ橋の整備も、2020年の完成を目指していよいよ始まります。臨海部に世界最先端の研究機関や企業が集まり、日本の成長をリードする拠点として形成を進めていきます」
――幸区の今年の重点的な取り組みについてはいかがでしょう。
「幸区は、古くは、梅の名所でありました。こうした歴史を背景に、区民の皆様と協働して『御幸公園梅香(うめかおる)事業』に取り組みます。2024年の市制100周年に向け、180本の梅を植樹し、『梅まつり』や『歴史文化』の継承など、新たな魅力を発信するほか、梅植樹のための寄附制度を創設する予定です。より多くの市民の皆様にご参加いただきたいと思います。また、町内会・自治会を中心に実施している『ご近所支え愛モデル事業』を拡大し、見守り・声掛け・助け合いなど自助・互助の取り組みを支援します」
子育て環境の整備進める
――福田市政が誕生してから4年目になり、今年秋には市長選が行われます。この3年間のご自身の公約を含めた総括と今年の抱負、市長選への考えをお聞かせください。
「公約は、市民の皆様とのお約束ですので、この間、スピード感を持って取り組んできました。特に、待機児童の解消をはじめ、中学校完全給食の導入、小児医療費の拡充など、子育てしやすい環境の整備について、全力で進めてきました。それ以外の公約についても、おおむね順調に進展していると思っています。
ただ、市内の課題もまだまだたくさんありますので、まずは残りの任期を全力で頑張りたいと思います。
今までも川崎はピンチをチャンスに、課題を成長につなげてきた歴史があり、先人たちのDNAが私たちの中に備わっていると思います。こういったチャレンジスピリットを忘れずに、これからも挑戦し続けたいと思います。そのためにはやはり、自分たちのまちは自分たちでつくっていくという市民の皆様と私をはじめ市職員のお互いの高い意識が大事だと思います。
今年も市民の皆様とともに、川崎を一歩先へ、もっと先へ進めたいと思います」
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