さがみはら南区 社会
公開日:2023.04.20
こども家庭庁4月1日発足
どうなる?どうするべき?
子どもの権利 弁護士に聞く
こども家庭庁が創設されたのに合わせ、タウンニュースは、子どもの虐待や貧困問題に対応する弁護士に話を聞いた。同庁ができたことで今後、どのような社会へ変わっていくのか。対応した弁護士は岩城法律事務所(緑区橋本)の岩城栄二さんとサガミ総合法律事務所(南区相模大野)の矢尾覚史さん。
―「こどもまんなか社会」をめざすこども家庭庁ができたことで、世の中の変化として期待することは何ですか。
改めて主体に
「これまで子どもは保護の対象でずっと来ていた。『子どもの権利条約』(1989年)のあたりから子どもを保護するだけでなく、権利の主体として把握していきましょう、となった。日本が子どもの権利条約を批准したのが1994年。動き出すのは遅かったが、今回、改めて子どもを権利の主体として、子どもを社会の中心として置いていきましょうとなったことは評価したい。私のイメージは、それは子どもたちが自分らしく、主体として自己表現ができる社会。子どもを真ん中と考えると子どもの意見を知ることが大事。子どもたちが『自分が主体』として自分らしい自己表現をできるといい」(岩城さん)
縦割り打破を
「おそらくこども家庭庁ができたきっかけというのが、縦割り行政を廃止しましょうというところにある。青少年の健全な育成や子どもの貧困対策は内閣府の政策統括官、子育て支援や少子化対策は内閣府の子ども・子育て本部、犯罪から子どもを守るための対策は内閣官房、児童の性的搾取は国家公安委員会及び警察庁、そして児童虐待は厚生労働省など。それでどういう弊害があるか。例えば児童虐待はさまざまな要因がありその一つとして親の貧困が原因になっていることもあるがそうした場合、児童虐待は厚労省、貧困問題は内閣府となる。それぞれの専門分野でしか解決策を見つけ出すことができず、そこには限界がある。だから今回縦割りをなくすことで、さまざまな歪みに取り残された子どもたちを救って、さまざまな角度から支援していこうとするもので、理念としてとても良い。今いった問題はいろいろ絡みあって生じてくるというのが現場の感覚。子どもを取り巻くいろいろな問題に総合的に取り組みができる機関になってほしい」(矢尾さん)
―弁護士の方はふだん子どもと接する機会はあるのでしょうか。
意見表明権に注目
「子どもとのかかわりという点で我々弁護士は、『意見表明権の行使』を手伝うこともある。意見表明権は子どもの権利条約で初めて規定されたもので、子どもの意見をいろいろな場面に反映させていこうとするもの。今回の子ども家庭庁ができるにあたって作られた『子ども家庭庁設置法』(2022年)でも『子ども基本法』(同)でも、意見表明権はクローズアップされている。一方、これまで意見表明権にかかわる現場にいて、『子どもだから』という理由で遮断をされてしまった意見があったのではとも思う。同庁ができることで今後、そういった意見がちゃんと拾い上げられるような世の中になってほしい。ブラック校則にしても子どもたちが『おかしいんじゃない』と意見を出してそれを拾い上げられた結果、ルールが変わっていく事象が起きている。理想としては子どもの意見を聞けるような何らかの会議を今後、自治体ごとに作っていければ」(矢尾さん)
―ユニセフによる先進国の子どもの幸福度の調査(2020年)で日本は総合順位が38カ国中 20 位、精神的幸福度については 37 位でした。
まず子どもを
「人は子どものときに幸せを感じていないと、その後の人生が明るくなることが少ない。だから早期から支援していきたい。これから日本が良くなっていくためにはまず子どもたちが幸せでないといけないだろうと考える」(岩城さん)
本紙特別号 小中へ配布
タウンニュースは4月1日に発足したこども家庭庁や、同庁が掲げる「こどもまんなか社会」について紹介する「こどもまんなか社会特別号」を発行しました=画像。市内の公立小学校、中学校、義務教育学校に配布しています。
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