神奈川県立相模原中等教育学校3年生の髙橋春帆さんが、県内の生徒・学生らを対象としたビジネスアイデアコンテスト「かながわアントレプレナーシップチャレンジ」で最高位の県知事賞を受賞した。髙橋さんは「中学生のストレス解消と不登校問題解決に向けた学校へのセラピー犬派遣事業」を提案した。
同コンテストは、県が若年層に起業に挑戦する意欲を持ってもらおうと開催。今回は大学生や大学院生を含む48組が参加し、髙橋さんが最高位に輝いた。
髙橋さんは中高生が抱える人に話せないような不安や悩みの解消のため、学校にセラピー犬を導入する事業を提案。アイデアのきっかけは、友人が学校でストレスを抱え登校が不安定になってしまったことだった。
生まれたときから犬と過ごしてきた髙橋さんは、「犬との触れ合いから得られる安心感を学校にも生かせる」と考えた。同事業では、学校の保健室やカウンセリング室に、訓練したセラピー犬を派遣し、悩みを抱える生徒を癒す。皆が犬のいる環境を認め合えるよう、苦手な人に対しては滞在場所を限定したり、アレルギーを持つ人へは症状を引き起こす原因となるフケを軽減するため飼い主が犬をこまめに洗い、手入れしたりすることなどを盛り込んだ。
また県が動物介在教育に力を入れていることから「神奈川県でやる意味がある」という点が評価を受けたという。12月に表彰式に参加し、「目標だった『県知事と話す』が実現できた」と笑顔を見せる。
高校生までに起業
会社経営をする父の背中を見て、起業に興味を持った髙橋さん。「中高生のうちに起業」を目標に掲げている。社会問題を発見して解決方法を考え人に伝える、という流れを訓練するため、多数のビジネスコンテストに参加。全て違うアイデアで応募している。3月には起業家や中小企業経営者らを対象としたコンテストのファイナリストに選ばれ最終審査に挑む。「県知事に聞いたプレゼンの極意を生かしたい」と意気込みを語る。
また、現在自身の学校にセラピー犬を導入するため、効果の周知や触れ合いを目的とした講演会の開催を計画中。毎晩父親と資料作りに勤しみ、有識者や大学教員らの知恵も借りながら実現に向け歩を進める。「できるかわからないくらい大変だけど、頑張りたい」と力を込めて話した。
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