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市内初 水素ステーションが誕生 「TKK水素ステーション」尾根幹沿いに
市内初となる水素ステーション『TKK水素ステーション』が3月26日、南多摩尾根幹線道路沿い「多摩卸売市場前交差点」そばにオープンした。運営するのはTM多摩興運(株)。「究極のエネルギー」と言われる”水素”を使った燃料電池自動車(FCV)の供給設備となる水素ステーション。全国でもまだ数が少なく、多摩地域でも同店で2店舗目となる。多摩市から水素社会の実現に向けて期待が寄せられる。
さまざまな資源で作ることができ、利用する際に排出されるのは水のみで、CO2を排出しないという特徴を持つ水素エネルギー。究極の「次世代エネルギー」として現在、注目を集めている。
その水素と酸素の化学反応で作った電気を使って走行するのが燃料電池自動車(FCV)だ。FCVの供給設備となる水素ステーションは現在、全国で設置が進められている。今回、オープンした「TKK水素ステーション」は市内初。多摩地域でも八王子市片倉にある店舗に続いて2店舗目となる。
同ステーションを手掛けるTM多摩興運(株)(小礒トシ代表取締役社長)は1971年に乞田で創業。大正生まれの小礒社長は昭和・平成・令和と激動の時代を駆け抜け、ガソリン・天然ガスのスタンド事業ほか、行政委託廃棄物収集運搬や、民間救急車による搬送業務、生前・ご遺品整理と古物商、消毒消臭業務、人材派遣業務及びリフォーム事業などを行っている(他に社会福祉法人も運営)。「環境」「エネルギー」「福祉」を事業理念としており、持続可能な社会に向けて安全かつ、大気環境にもより良い影響を与えるエネルギーとして水素に着目。全国の水素ステーションを運営するほとんどが大企業という中で、地場の中小企業が運営する水素ステーションの先駆けとして今回「TKK水素ステーション」を立ち上げた。
1時間に6台
同ステーションの設立にあたっては、JHyM(日本水素ステーションネットワーク合同会社)に参画し、技術支援などを受けてきた。設備は、1時間に乗用車6台の充填が可能な300Nm3/hの供給能力を有し、1台あたりの充填時間は約3分とガソリン車とほぼ同じ。水素自体は、工場で製造された水素を運んでくるオフサイト方式を採用している。トイレや、携帯電話の充電なども行うことができる休憩所も設けられている。
全国の地場中小の先駆けに
オープン当日となった3月26日には、開所式を実施。関係者と報道陣約40人が集まる中で、厳かに神事が執り行われ、その後、施設内覧会が行われた。
同ステーションの特別顧問を務める小礒明氏は「水素は水滴しか出さない究極のエネルギーで、FCVは究極のエコカー。これからの新しい時代に日本が世界に向けて頑張っていくことができる分野でもある。地場の中小企業として社会貢献だけでなく、全国の中小企業の先駆けとして、多摩市から水素社会を普及・発展、切り開いていくための実証をしていきたい」と抱負を述べた。
「多摩から水素の普及を」TKK水素ステーション・小礒明特別顧問に聞く
今回、新たにオープンした「TKK水素ステーション」。全国で設置が進められているものの、まだその数が少ないのが実情だ。そうした中で、地元の中小企業として設置を進めた理由を小礒明特別顧問に聞いた。
「かねてから水素に思いを抱いていた」と話す小礒氏。排気ガスによる大気汚染が問題となっている中で、燃料電池自動車(FCV)に着目。水素は様々なものから製造することができる上に、FCVは水滴しか出さない究極のエコカー。資源に乏しい日本に合っていると感じた。
ただオープンに至るまでには様々な困難にも直面した。技術やコスト面で大手しか運営していないという現状に加え、コンサルタントがいない。「誰に聞いてどこに行けばいいかわかりませんでしたよ」と苦笑する。『これからの時代に向けて必ず社会貢献になる』『地場中小企業でも運営できることを証明したい』―。その思いから独力で動き出し、各方面への申請や許認可、資金確保に向けて奔走した。
FCVの販売台数は全国でもまだ少ない。水素ステーションが少ないというインフラの影響も起因している。中小企業が参画していくことが水素社会の普及・発展につながると信じ、「TKK水素ステーション」がその先頭に立って運営できることを示していきたいという。「多摩発のモデルになっていきたい」と小礒氏は抱負を語る。
店舗は、オリンピック自転車競技ロードレースのコース沿い、自転車愛好家のメッカにもなっている尾根幹線道路沿いにある。「トイレや携帯電話の充電に気軽に立ち寄ってもらえれば」と笑顔で語る。今後、地域の団体や子どもたちの環境学習に利用してもらえるよう見学なども受け入れていく予定だ。「水素を学べる施設にしていきたい。地域にあって良かったと言ってもらえる施設にしていきたいですね」。多摩から水素社会の普及・発展に懸ける思いは強い。
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