逗子リトルシニアの監督を務める
有馬弘さん
葉山町一色在住　73歳

｢勝ち｣にこだわり努力する

　○…中学生硬式野球チーム「逗子リトルシニア」を率いて先月、神奈川県の強豪が揃う「ミサワホーム杯」でチームを３年ぶり２度目の優勝に導いた。エースの故障もあり必ずしも万全ではなかった体制での優勝に、「選手が想像以上の活躍をしてくれた。喜びは格別」と笑顔を見せる。

　○…息子がリトルリーグにいた縁でシニアの指導を手伝うようになり、そのまま監督となって33年。指導者になるにあたり、高校野球の監督に話を聞いたり、書物もたくさん読んだりした。心掛けているのは、人にやさしく思いやりのある子どもを育てること。そのうえで「勝つことにはこだわる」と強調し、「打てなければ勝てない」ことから練習の８割を打撃にあてる。４人の教え子がプロ野球選手になった。「ごく普通の子どもだった。そういう先輩がいることは、現役の子たちの励みにもなる」と嬉しそうに語った。

　○…鹿児島県種子島で生まれ育った。球技が得意な子どもで、部活は卓球部で汗を流したが、野球、バスケットボール、バレーボールなど、何でもこなし、各部からよく助っ人を頼まれた。とにかく負けん気が強く、中学の時は朝４時起きで卓球の朝練をして、新人戦で優勝した経験を持つ。子どもたちには努力することの大切さを説く。

　○…両親の都合で高校卒業後は葉山に移住。21歳からは葉山消防署で勤務し、定年前の４年間は消防長を務めた。28歳で始めたゴルフはベストスコア74の腕前。現在は平日はゴルフ練習場に通い、土日祝日は野球の日々。「好きなことをやらせてくれる妻には感謝しかない」と頭を下げる。「子どもとの野球は人生そのもの」と語り、全日本選手権への出場を夢見て、今週末もグラウンドに立つ。