多摩 社会
公開日:2022.12.01
闘病中の子へ 笑顔を
八王子のNPO 催し企画
子どもが重い病気にかかると、親元から離れての入院生活が始まる。小さな体で一人つらさに耐えなければならず、家族に自由に会えない寂しさが募る。
そんな子どもたちやその家族に少しでも笑顔を届けたいと活動するのが、八王子・下柚木を拠点にするNPO法人「ピアスマイル」だ。昨年10月に発足して以来、八王子市内や近隣の小児病棟のある病院に対して、子どもたちが楽しめるイベントを開き、目で季節を感じられる品々の寄付を続けている。
関心高まり
厚生労働省によると、全国の1日当たりの小児(0〜14歳)の入院患者数(推計)は、約2万2900人にのぼる。
国内では大手ファーストフード店が患児に付き添う家族用の滞在施設を主体的に支援していたり、病児や家族を対する精神的・物質的なケアに関心が高まっているが、これまで同法人の母体である患者家族の会の時から、プロの紙切り師を招いての演目や南極観測隊参加経験者によるお話会などを企画。観覧した子どもたちは目を輝かせていたという。
同法人代表の大浦真理子さんたちを迎え入れた神奈川県にある東海大学医学部付属病院の小児科の元看護師長は「子どもたちは貴重な経験をさせてもらった。ハサミ一本で色々なものが出来上がるさまに全員釘付けで、切ってもらった作品はみんなベッドに大事に飾っていた」と振り返る。
一方で、大浦さんは「映像視聴やオンラインでの催しもいいが、実際に作品が手元に残ることに大きな意味がある」と対面の重要性を話す。
試行錯誤 続く
コロナ禍の活動は制限が大きく、「対面イベントはもちろん手製の紙細工の差し入れも厳しく、今夏の寄付は既製品を贈った」と大浦さん。コロナが収束するまではオンライン開催などあの手この手で模索を続けていくつもりという。同法人の詳細や支援の問い合わせは「ピアスマイル 八王子」で検索できる。
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