有馬図書館(出光良館長)で5月18日から19日にかけて、子どもの読書への興味醸成を狙ったユニークな企画が催された。大切なぬいぐるみを使ったその取り組みを取材した。
大切な「友達」が好きな本の世界ってどんな?
18日午前10時過ぎ、同館内の多目的室で始まった「おはなし会」にはいつもとは一風変わった光景があった。ぬいぐるみを手にした子どもたちの姿。このぬいぐるみたちが、今回のユニーク企画で主人公を演じることになる。
「ぬいぐるみのおとまり会」と題された今回の取り組み。お気に入りのぬいぐるみがホテルに見立てた図書館に1泊し、その1晩の間に読書を楽しむ。その姿を収めた写真を、翌日子どもたちが迎えに来たときにプレゼントすることで、「『大切な友達』である、ぬいぐるみが好きな本の世界を自分も知りたい」という子どもの心理に働きかけながら、本への興味を育てるこの企画は2010年秋に国立国会図書館が米国の図書館の取り組みとして紹介した。読書への興味醸成を狙った講座はこれまでにも多数あったが、ぬいぐるみを使った秀逸な手法として各地で催されるようになったという。
海老名市内で初の開催となった今回のお泊り会では、1歳から小学2年生までの子どもたち17人のぬいぐるみが宿泊。ミッキーマウスやくまのプーさんなど、それぞれの「相棒」をおはなし会終了後に同館職員に預け、子どもたちは帰宅した。
職員は17体のぬいぐるみが持ち主の子どもたちの興味に沿った絵本を館内で楽しむ姿を撮影。写真は館内で過ごした様子を記したメッセージカードと共に翌日、迎えに来た子どもたちに手渡された。杉久保南に暮らす奥谷樹くん(3)はプーさんのぬいぐるみを受け取るとギュっと抱きしめ、職員から「怪獣が出てくる絵本を読んでいたよ」と前夜の様子を聞き、母親の婦貴子さんから「きょう寝るとき、この本読もうか」と話しかけられると「うん」と笑顔を浮かべ、ぬいぐるみと共に帰宅した。ほかの子どもたちも写真に収められたファンタジーの世界に見入り、その多くがぬいぐるみが読んだ絵本を借りて帰ったという。
お泊り会を企画した同館職員・大石淳子さんは「ファンタジー性があり、夢のあるこういった企画を通じ本が好きな子どもたちが1人でも多く育ってくれたら」と話していた。
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