「どんぐり料理を通して日本の食料自給率をコンマ1%でも上げる」。大きな目標が男を突き動かす。
1929年8月8日生まれ。上今泉に暮らす、平賀国雄さん。江戸時代の発明家・平賀源内を由来に「どんぐり源さん」の愛称で親しまれている。2013年には、どんぐりの開発成果が認められ、町のノーベル賞といわれる「東久邇宮(ひがしくにのみや)記念賞」を受賞した。
どんぐりとの出会いは9年前に遡る。どんぐりの研究をしている友人に魅せられ関心を持つように。ミネラルも豊富でビタミンCはレモンを凌ぐ含有量を持つどんぐりには、「免疫力の向上、発がん物質の抑制など、大きな可能性を秘めている」と、パンや麺類、ケーキなど、食用化への挑戦が始まった。
商品化第1号となった「どんぐり煎餅」を発表すると、たたみこむように新たな出会いが訪れる。どんぐり料理を提供する障がい者就労支援を兼ねた飲食店で商品開発を担い、どんぐりを使った麺や焼きドーナツ、茶、ジャーキーなど、ヒット商品を連発した。
活動はいっこうにとどまることを知らない。「どんぐり」が人を呼び、現在も大学との共同研究やどんぐりを推進する団体らと活動を進めながら日々研究を行っている。
「新縄文時代」へのススメ
「食のルネサンスを実現」。種子、野草の採集や狩猟と漁業で生活をなしていた美食家の縄文人。そんな彼らが主食とした「どんぐり」を森林資源国の日本から広めていきたいと切実に願っている。
源さんは「未利用資源のどんぐりを活用することで、健康はもとより、雇用の拡大などの産業育成につながり、戦争のなかった縄文時代のような生活ができる。実現のためにもまだまだ生きていかなきゃ」と微笑む。
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