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海老名・座間・綾瀬 スポーツ

公開日:2020.07.31

綾瀬市
輝いた、最後の夏
市教委会、校長会、地域が花道

  • 4校が参加したサッカーの試合と試合後にソーシャルディスタンスを意識して整列する野球の選手=綾瀬市スポーツ公園・24日

 綾瀬市内の中学校運動部で活動する3年生の生徒が7月23日から25日にかけて、およそ半年ぶりとなる市内大会に臨んだ。新型コロナ禍で活動自粛を余儀なくされるなか、大人たちが部活動引退の花道をつくった。

「寂しくて落ち込んだけど…」

 新型コロナウイルスの影響で3月から6月上旬まで学校が閉鎖された。生徒たちはその間、部活動はおろか登校自体ができない日々が続いた。

 本来であれば4月に新入生が入学し、それぞれ進級した2年生や3年生は先輩や最高学年として1年生を迎えるはずだった。しかし今年は、その機会を失った。

 3年生にとって最後となる夏の全中にむけた市内大会は、例年7月の1週目から2週目にかけて行われ、7月末には上部大会の県央地区大会や県大会が行われる。その上位大会の関東や全中大会は生徒の憧れであり目標になる。この夏を最後に3年生は部活動から退き、高校受験に向けた準備に入る。

 綾瀬市中学校校長会の会長を務める城山中学校の伊藤憲二校長は「上位大会が無くなっただけではなく練習をしたくてもできない期間が3カ月も続いた。生徒たちにとっては辛く、ストレスが溜まる状況だったに違いない」と、休業期間を振り返った。

 その校長会と市教育委員会は、休業を余儀なくされた生徒、「とりわけ3年生にとって区切りとなる大会を市独自に開くこと」で一致。その運営方法について各競技の部会で検討を重ねた。

 人見和人教育長は「開催しない選択肢はなかった。こうしてひたむきに頑張る生徒たちをみているとこちらが元気をもらう」と、試合会場で目を潤ませていた。

 課題の一つとなったグラウンドの確保では、野球やサッカーの市内関係者がすでに予約済みのグラウンドを中学生のために提供。感染症対策では各校の校長や教員があらゆる知恵を絞った。

 その結果、バレーボール(女子)、ソフトテニス、剣道、サッカー、バドミントン、卓球、軟式野球、バスケットボールの8競技13種目の独自大会の開催が実現した。

スポーツの日

 東京五輪の開会式にあわせ今年初めて創設された「スポーツの日」の7月24日、綾瀬スポーツ公園(同市本蓼川)ではソフトテニス、野球、サッカーが行われた。野球では選手が間隔をあけて整列していた。

 城山中とのサッカー決勝戦で、決勝ゴールをアシストした綾瀬中の小林忠(まこと)選手は「大会が無くなって、寂しくて落ち込んだこともあった。それでも今日が迎えられて嬉しい。大人の皆さんのおかげで最後の試合ができて感謝の気持ちしかありません」と話していた。

 9月には陸上競技と文化部の発表・展示会、バレーボール男子も後日開催をめざしている。

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