海老名・座間・綾瀬 経済
公開日:2023.03.10
防災連載 上
備蓄食料25万食
安心対価は「年間140円」
今年1月に開かれた海老名市長の定例会見で、内野優市長は「食料の入れ替えに年間2千万円かかる。市民1人当たり140円。高い安いの議論はあるが、海老名市は他より多くの防災食料を備蓄している」と、力説した。会見後には備蓄食料の試食会も開かれた。
賞味期限が迫る備蓄食料を活用した試食会ではアンケートも行われ、2時間で記者を含む約140人が回答。用意したレトルトパン・ご飯、即席カップめんの全5種類について「おいしい」と答えた人が8割以上に及んだ。市危機管理課の担当者は「備蓄食料といえば乾パンのイメージだが、最近は食味の質が高い」と説明。この日の結果を今後の食料入替に反映させる考えだ。
啓発に活用も
海老名市では県の地震被害想定調査(2015年)が示す関東大震災など6つの大地震のうち、市内で最も大きな被害が想定される「都心南部直下地震(マグニチュード7・3)」で見込まれる市内避難者数の1万人を超える約4万人と、避難所の運営従事者らに3食2日分が行きわたる25万食分を常時備蓄している。
食料は米、パン、麺の全15種類で、市内3か所の大型防災備蓄倉庫と40カ所の避難所に分散保管し、避難所開設の初期段階から配布できるよう構えている。
賞味期限に伴う入れ替えは年間約5万食分で、伴う費用は約2千万円。入れ替える食料はこれまでに一度も廃棄したことはなく、全て啓発用に配布しているという。
「安心」の対価は約140円。3食2日分と考えると安く感じるが、その方針や考え方は自治体によって特徴がある。
(つづく)
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