海老名・座間・綾瀬 政治
公開日:2025.12.05
座間市議会
全容解明と再生で政治の土壌改良を
デスク・レポート
▼座間市議会の議長が公務中の飲酒や不適切な言動を理由に辞任した。本人が事実関係を認めた不祥事は市民の信頼を根底から揺るがすものだ。交流する自治体首長に対する酩酊状態での非礼な言動や中学校の卒業式という厳粛な場でのヤジ。これらは単なる「酒の失敗」や「失言」で済まされるレベルではない。座間市の顔でもある議長職の品位を著しく傷つけ、市民の誇りを考えない行為だったといえる。
▼議長職を辞したことで一連の騒動に区切りがついたと考えるのは早計だ。本人が「公務に支障はなかった」と強弁しても、公人としての自覚が欠如していたことは明白だ。その責任は議長の辞任だけで果たせるものではない。有権者である私たち市民も、選良である議員が起こした不祥事の現実を直視し、より厳しい目を向ける必要がある。座間市議会の対応も同様である。
▼議長の辞意を受けて座間市議会は、11月20日に副議長名でホームページにコメントを掲載した。その内容は副議長名でのお詫びにとどまり、組織としての「覚悟」が読み取れなかった。なぜこれほど危機感が薄いのか。その背景には、同議会が抱える構造的な欠陥があるのではないか。
▼座間市議会には、議会運営の最高規範となる「議会基本条例」も、議員が順守すべき「政治倫理規定」の類が存在しない。それゆえに、これまで議員の政治倫理について議会内で議論を深める経験が乏しかったのではないか。今回の不祥事は、そうした「倫理の空白」が生んだ必然だったともいえる。
▼形式的な辞任で幕引きしてはならない。市議会にはこのような事態がなぜ放置されてきたのかを検証する責任がある。現在進む身内による聞き取りではなく、第三者による検証の場を設けて事実関係を徹底的に洗い出すべきだ。その上で、空白となっている「倫理規定」を早急に制定し、ルールに基づく再発防止策を講じる必要がある。徹底した情報公開と自浄作用を発揮できるか。座間市議会の良識と再生の本気度が試されている。
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