中小河川や上下水道施設などを活用し、1000キロワット以下の発電を行う「小水力発電」が、クリーンエネルギーとして注目されている。市内ひばりが丘の「田中水力株式会社」(田中幸太代表取締役社長)は、小水力発電プラントの専門メーカーとして、全国各地で事業を展開している。3月には、豊かな生活文化の創造に貢献した企業に贈られる「日本クリエイション大賞」のマイクロ水力開発賞を受賞した。小水力のメリットや同社の事業について田中社長に話を聞いた。
水力発電は、二酸化炭素の排出量が少なく、設備稼働率が高いエネルギーとして、長く国内で活用されてきた。一方で、大規模ダムなどの開発に適した土地は少なくなっている。こうした中、河川・農業用水・砂防ダム・上下水道などのエネルギーを有効利用するのが小水力発電だ。既にある社会基盤をベースに発電するため、大きな土木工事を必要とせず、自然環境を破壊しないメリットがある。
同社は2005年に「(株)田中水力機械製作所」から分離し、小水力の事業に着手した。2007年には、日本初となる小水力発電に適したインラインタイプのフランシス水車を、東京発電(株)と共同開発。1号機を奈良県水道局のポンプ場に納めた。以降も、水道局や企業庁などを中心に事業を拡大している。東日本大震災の後はクリーンエネルギーとしての注目が高まり、問い合わせが急増しているという。
ピコ発電も
同社は現在、九州工業大学と協力して、出力1・5キロワットのピコ水力発電設備「エコハイドロ・ユニット」を開発している。これは、水車本体、発電機、パワーコンディショナーを収納した商品。人力で運べるほどの軽量化が図られ、農業や工業用水、高層ビルなどでの活用が見込まれる。
田中社長は、「性能、効率、コストの面で更なる努力をして、小水力の普及に貢献したい」と意気込んでいた。
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