中日本高速道路（株）（ＮＥＸＣＯ中日本）は２月６日、さがみ縦貫道路（圏央道）の未開通区間、海老名ジャンクション（ＪＣＴ）―寒川北インターチェンジ（ＩＣ）間およそ４・３Kmの供用を、３月８日（日）に開始すると発表した。１９８８年４月から進められてきた圏央道の県内区間である縦貫道路（総延長34Km）が、27年目にして全線開通の時を迎える。

　縦貫道路は２０１０年、海老名市に開設された海老名ＩＣと東名高速道路接続部・海老名ＪＣＴまでの１・９Kmが部分開通。13年３月に海老名ＩＣから相模原愛川ＩＣまでの区間が、４月に新湘南バイパスの茅ヶ崎ＪＣＴと寒川北ＩＣ間５・１Kmの区間が、それぞれ供用開始された。

　昨年６月には相模原愛川ＩＣ―高尾山ＩＣ間が開通したことで中央道への接続が完了。およそ20分で海老名ＩＣから中央道に接続する八王子ＪＣＴに、40分ほどで関越道の接続部・鶴ヶ島ＪＣＴに到達できるようになった。

観光需要を創出

　全線開通により、観光や産業面で大きな変化が期待されている。昨年、中央道や関越道へのアクセスが改善されたことで、世界遺産・富岡製糸場で盛り上がりを見せる群馬県や日本を代表する避暑地・軽井沢を抱える長野県などでは、神奈川などからの観光客や宿泊客を見込んだキャンペーンを展開。開通が新たな観光需要を生み出している。

　３月に海老名ＪＣＴから寒川北ＩＣ間の供用が開始されることで湘南方面へのアクセスが良くなり、埼玉県や群馬県など圏央道沿線のいわゆる「海なし県」からの流入拡大も見込まれている。

　海老名ＩＣから寒川北ＩＣまでの通行料は軽自動車・自動二輪が３５０円、普通車３７０円、中型車４４０円。

渋滞緩和狙い道路を整備へ

　座間市では、市道17号線（通称・市役所通り）の「座間市役所北交差点」から、県立座間谷戸山公園北側や小田急小田原線踏切を通過して、県道51号線に至るまでの区間９２０ｍの整備を計画している。この計画は、第４次座間市総合計画・戦略プロジェクトの１つ。縦貫道の開通に加え、相模川挟んで向かいの厚木パーキングエリアへのスマートインターチェンジ設置や、広野台での大型物流倉庫開業を見込んで、渋滞緩和を図る狙い。区間内の道路を拡幅する予定で、市では２０１８年度までに整備を進めるとしている。