相模川やハーモニーホール座間――。見慣れた景色が次々に登場するミュージックビデオ、鳩川近くの団地で過ごした幼少期の思い出をつづった歌詞。全てが「座間づくし」の異色ヒップホップソングが今、日本中の注目を集めている。座間生まれ座間育ちのDJ「Hi(ハイスペック)'Spec(ハイスペック)」が同郷のラッパー「OMSB(オーエムエスビー)」とともに作り上げたこの曲には、座間への愛情が余すことなく詰まっていた。
でこぼこな町、生まれ育った町
自室の一角で、既存の音楽を繋ぎ、組合せ、自在に操っていく。思い思いに音を重ねていくうちに、段々と自分らしいビートが生まれてくる。自他ともに認める人見知りだというが、音に関してはとにかく貪欲だ。
DJをやっていた4つ年上の兄の影響を受け、18歳でヒップホップの世界に飛び込んだ。地元で活動中に偶然出会ったのが、ハーフのラッパー「OMSB」。ともに座間小学校出身で、年齢も近かった2人はすぐに意気投合。その後はOMSBを中心に集まったユニット「SIMI LAB(シミ ラボ)」のメンバーに名を連ね、09年に動画サイトに上げたミュージックビデオ「WALKMAN」は世界で28万回以上再生された。
座間には生まれた時から住んでいたが、ついに今年5月に生家を離れ、相模原市南区に転居。いまだに座間からは目と鼻の先だが、「生まれ育った家での思い出を形に残したい」と、初のソロアルバムのカバーデザインは大写しの生家に決めた。全ての曲が生まれた、座間市明王の家。そんな意味を込め、アルバムは「Zama City Making 35」と名付けられた。
この想いに、一部の歌と歌詞を担当したOMSBが「共鳴」。座間の情景と彼自身の思い出をビートに載せ、アルバム収録曲「Goin Back To Zama City feat. OMSB」が誕生した。
「(出来上がった歌詞を)聞いた瞬間、これはやべぇなって思って。嬉しかったです」。ミュージックビデオの撮影では、昔よく釣りをして遊んだ相模川を中心に、思い出の地を回った。
6月1日に世に出たアルバムは、初日にitunesの国内ヒップホップ/ラップランキング1位を獲得するなど、確実に支持を固めている。
アルバム「Zama City Making 35」は音楽配信サイトまたはCDショップで発売中(SUMMIT/税込2700円)。
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