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公開日:2021.05.07

吉川醸造
仏国際コンクールで金賞
日本酒の新ブランド開発

  • 「雨降純米吟醸」を手にする杜氏の水野さん

 市内神戸の吉川(きっかわ)醸造株式会社(合頭義理代表取締役社長)が製造した日本酒の新ブランド、「雨降(AFURI)」の純米吟醸(720ml)が、フランスで開催されたフェミナリーズ世界ワインコンクール2021の純米吟醸部門で、金賞を受賞した。同コンテストには世界10カ国から、5000種類以上が出品。同社は初出展で金賞を受賞した。



 フェミナリーズコンクールは、ワインの本場フランスでTOP5に入る世界的知名度の高いコンクール。世界中から女性のソムリエ、醸造家、ジャーナリスト、シェフなど約600人の女性ワイン専門家が集まり審査を行っている。日本からは2017年より日本産のワインなどが出品され、日本酒部門は昨年新設。同社は同部門の純米吟醸部門に今回初出品で、金賞を受賞した。



 市内唯一の酒蔵



 吉川醸造は1912(大正元)年に創業。麹造りの段階から最小単位の手造りによる「蓋麹法」の採用など、丁寧な酒造りを行ってきた市内唯一の酒蔵。2020年10月にシマダグループに株式移譲し、同グループに入った。近年の国内における日本酒需要の減少を打開しようと、新体制のもと、海外での需要を視野に入れた新ブランドを立ち上げ、企業として新たな出発をすることを目的に商品開発を行った。



 新ブランド雨降(AFURI)は、硬度150という大山から流れる「優れた水を使用する酒蔵」をアピールするため、「雨降山」とも呼ばれてきた大山をイメージして命名。ラベルの文字は大山阿夫利神社の神職が揮毫している。



 今回金賞を受賞したのは長野県産美山錦を100%使った淡麗辛口の純米吟醸酒。貴重な秋田流花酵母を使用し、低温発酵で米の旨みをじっくりと凝縮した。同社の杜氏、水野雅則さんは「麹の種類や仕込みの配合を変え、これまでのうちの日本酒と全く違うものを作ろうとチャレンジした」と話す。商品については「香りが長く続く酵母を使い、甘みと酸味のバランスが良いものができた。女性や日本酒を苦手にしている人にも楽しめると思う」と自信をのぞかせる。金賞の受賞には「嬉しいし、今後の励みになる。これを糧にますます良いものを作る意識が高くなった」と喜びを語る。また合頭代表取締役は「伊勢原市唯一の蔵として市民の皆様に愛され、また世界に向けて発信していくことが当面の目標」と話す。



 商品は同社のほか、オンラインショップでも購入できる。

 

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