タウンニュース伊勢原版元旦号で掲載した、新春市長インタビューの続きを紹介します。高山松太郎市長に伊勢原大山インターチェンジ周辺や伊勢原駅北口周辺のまちづくり、移住や定住促進の施策、新年度予算編成の見通しなどについて伺いました。

ＩＣ周辺と北口再開発

　――新東名・伊勢原大山インターチェンジ（ＩＣ）周辺の土地が、昨年１月に市街化区域に編入され、組合施行による産業系を主体とする土地活用に向けた区画整理事業が動き始めました。また、11月には伊勢原駅北口地区の市街地再開発事業の事業化に向け、権利者による準備組合が発足しました。市内で大規模事業が動き始めていますが、高山市長の思いやビジョンなどをお聞かせください。

　「伊勢原大山インターチェンジの開通は、多くの『ひと』や『もの』の流れを生み出し、産業振興や観光振興等の追い風として、大いに期待しているところです。

　新東名高速道路の整備が進行する中、インター周辺では新たな産業用地の創出に向け、関係者の皆様により事業が進められており、市としましても組合事業を支援するとともに、企業誘致を進めてまいります。

　また、伊勢原駅北口の再開発事業については、市民の利便性はもとより、多くの来訪者を歓迎する市の玄関口として、着々と事業化に向けた準備を進めてまいります。

　これらの事業は、本市のさらなる発展に重要な役割を担うものであり、新たなまちづくりに欠かせないプロジェクトです。関係権利者や市民の方々の理解を得ながら、未来への投資として、そして次の世代に引き継げるよう、着実に取り組んでまいります」

安心して暮らせる活気あるまちへ

　――２０２０年に実施した国勢調査の人口集計結果が昨年公表され、伊勢原市は前回（２０１５年）の調査に比べ、人口は２６６人、世帯は２２７３世帯増えました。今後は全国的には人口減少が予測されますが、市として移住や定住促進などの施策の考えはありますか。また、市長が考える魅力あるまちづくり、めざす将来像とはどのようなものでしょうか。

　「以前の推計では、本市の人口は２０１０年ごろをピークに徐々に減り始め、２０２２年に９万７千人まで減少するとされていました。県内で６割の自治体で人口が減少する中、微増ではありますが、人口が増えたことは明るい話題であり、まちづくりの方向が間違っていなかったものと考えます。しかし今後は、少子高齢化が進んで確実に人口が減少し、まちづくりの大きな課題となります。さまざまな世代にとって暮らしやすいバランスの取れたまちづくりを進め、定住促進につなげてまいります。

　また、新たな産業用地での雇用創出や、伊勢原駅北口周辺の市街地整備により、人の流れやにぎわいづくりに取り組むことも重要と考えます。伊勢原大山インターチェンジ開設による交通アクセスの向上や、恵まれた医療環境、豊富な観光資源など、多くの魅力を市内外に発信し、その良さを感じていただき、将来的な定住につなげてまいります。

　魅力あるまちとは、そこに住む多くの人たちが地域に愛着を感じ、自信を持って地元を語れることだと思います。そのためにも、伊勢原の特性を生かし、安心して暮らせる活気のあるまちづくりを目指してまいります」

ポストコロナへ全庁で一丸

　――４月から始まる２０２２年度の予算編成・市税収入の見通しは。新規事業の予定などをわかる範囲でお聞かせください。

　「新型コロナウイルス感染症の状況は刻一刻と変わり、景気の先行きは依然として不透明な状況です。市税収入も改善の兆しはありますが、大幅な改善までは至らない見通しです。

　一方で、老朽化する公共施設の更新をはじめとした、直面する諸課題に引き続き取り組むとともに、感染症の収束を見据え、地域経済の活性化といった、ポストコロナへ対応していかなければなりません。

　現在、予算編成の真っ只中です。伊勢原の明るい将来に向けたまちづくりを進める上で、市として何をすべきか。コロナ禍をどう乗り越えていくか、全力をあげて、職員の知恵と工夫を最大限に生かし、市民福祉の向上に努めてまいります」

寅年『壬寅』希望の年へ

　――最後に、今年一年をどのような年にしたいか、市民へ向けてメッセージをお願いします。

　「新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、新年をご家族・ご親戚揃ってお迎えできない方々もおられるのではないでしょうか。昨年、一昨年と不安と我慢の年が続きました。一方で、新しい生活様式としてデジタル社会が後押しされるなど、新たな時代の萌芽も見られます。

　今年は寅年『壬寅』です。壬寅には、厳しい冬を乗り越えた後、草木が芽吹き始める意味が込められ、新たな成長の礎の年といわれています。まだ慎重な行動が求められますが、干支にあやかり、日常を取り戻す１年になることを願います。

　最後になりますが、今年がすべての市民の皆様にとって、明るい話題の多い、希望の年となりますよう、お祈り申し上げます」

　――ありがとうございました。（おわり）