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伊勢原 人物風土記

公開日:2025.01.24

八雲神社の桐枠に津軽塗を施して奉納した
石橋 伸一さん
板戸在住 72歳

夢の実現に向け邁進

 ○…「神社という崇高な場所に関わることができて大変光栄」。板戸の八雲神社に新たに鈴緒が奉納され、老朽化した桐枠に漆を施す大役を担った。元旦からお披露目され、初詣やどんど焼きで訪れた地元住民らを出迎えた。「朱、白、緑の3色を30回位繰り返し塗った。朱は魔除けになると聞き、強調した。津軽塗は腐食しにくく、30年はもつのでは」と語る。

 ○…生まれも育ちも板戸。平塚農業高校に入学し、美術部と柔道部に在籍、油絵と背負い投げに汗を流す。進学した関東学院大学でも美術部に入部。「大学でも柔道を続けようと思ったが、猛者ばかりでとても無理だと尻込みした」と笑う。卒業後、小田急商事に入社し、水産部門で鮮魚と寿司に従事。OXで店長を経験し、本部で商品開発などにも携わった。「北海道フェアなどの時は、必ず産地を回ってどんな商品を販売するか、ネーミングはどうするかを考えていた」

 ○…津軽塗に出合ったのは10年程前。湘南ひょうたん会の展示会に足を運んだことがきっかけ。津軽塗の不思議な絵柄に一瞬で魅了された。社会人になり絵画と離れていたが、定年を前に創作意欲に火が付いた。伊勢原市展や県展では何度も入賞。自宅に工房を造るなど、どんどんのめり込んでいった。「思った通りの色が出ると嬉しいし、思い通りにいかない所もおもしろい。妻は呆れている」と笑顔で話す。

 ○…作品のヒントは実際に出かけていった場所で見た景色や派遣先の仕事場など日常に溢れているという。「頭を活性化しないと良い発想が生まれない」。現在は5月に都内で開催される新工芸展に出品するために新たな構想を練っている。「日展に入賞するのが夢。それまで続けたい」とほほ笑む。

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