綾瀬版 掲載号:2018年11月30日号
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通学児童の安全を毎朝、約40年にわたり見守り続けた 池上 忠幸さん 吉岡東在住 80歳

児童・地域と歩んだ歴史に幕

 ○…交通量が多い丸子中山茅ヶ崎(県道45号)線で毎朝約40年間、自社前の横断歩道で旗を振り通学児童の安全を見守った。「その時間ここにいるし、学校から直々に旗渡されちゃやらないわけにはいかない」と話すが、傍らで聞く夫人が「子どもが好きなんですよ」と微笑む。高齢のため今年12月29日に「(有)池上モータース」を閉鎖し、旗も役割を終える。

 ○…息子が小1〜中3の頃に務めた交通指導員が、旗振りのきっかけ。ちょうど通学路が変わり、工場前を子どもたちが通り始めた頃だった。会社設立時に比べ道が整備され、交通量も増えていた時期。面倒見のいい性格から、指導員終了後もボランティアで毎朝立ち続けた。「休んでる子とか、わかるようになる」。翌日、「風邪引いてた!」と元気な姿にほっとする。放課後、子どもたちは「横断歩道のおじさん」を探しては「ただいま!」と元気にあいさつしながら帰路につくそうだ。

 ○…長野県で生まれ育つ。実家はかつて宿を営み、故郷・上高地の魅力を世界に知らせ「楽しみとしての登山」を日本に定着させたイギリス人宣教師で登山家のウォルター・ウェストンを、曽祖父が受け入れたというエピソードを持つ。自身は大学進学で上京し電機メーカーに務めたが、自動車の普及に伴い町工場に再就職。2年の修行を経て一国一城の主となった。

 ○…「趣味は車」と即答。いじるのはもちろん乗るのも好きで、夫人との旅行などどこに行くにも車。地域からも頼られ、体調不良で工場を閉めたのは46年間でたった半日だけというほど、ライフワークとして体に染みついている。「仕事辞めたら、月に1度は実家に帰るかな。あとはやっぱり、車をいじってると思う」。職人らしい手を見せながら、満面の笑みを見せた。

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