大和警察署長に就任した 千葉 証(しょう)さん 57歳
団結力で地域を守る
○…400人を超える署員が在籍する、県下有数の大所帯を率いることになった。大和署での勤務は24年ぶりだ。「天命だと思います。署員はもちろん、行政、ボランティアの皆さん一丸となって地域を守っていければ」と気を引き締める。「一致団結。最善を尽くす。明るく挨拶。家庭、家族を大切に」。署員たちに求めることは言葉にすると至ってシンプルだが、この言葉の中に警察官人生約40年で学んだすべてが詰まっている。
○…前任は、県警本部の監察官室長。過去には、浦賀警察署長のほか機動隊にも5度配属され、副隊長も経験した。大和署の機動隊にいた頃には、皇太子ご夫妻のご成婚や阪神淡路大震災などの現場にも出動した。「機動隊では、警察官としての精神やチームワークの大切さを学んだ。当時の経験が今にも生きていると感じます」
○…「証」は、牧師をしている父が付けてくれた名前。「警察官的には、証拠の『証』って言うんだけど」とにやり。「人のためになる仕事に就きなさい」という父の教えは、警察官の道を選ぶときに背中を強く押してくれたという。自身も二児の父。妻は白バイの初代女性リーダーで、息子と娘は両親と同じ警察官の道を選んだ。「2人とも結構頑張っているみたい」と目尻をさげる。
○…10年ほど前からはじめた書道は、毛筆、硬筆、仮名すべて有段者。お寿司作りも得意で、握りも軍艦巻もお手の物だ。特に自慢のだし巻き卵は、行きつけの店の大将直伝。コミュニケーションの一環として、当直明けの署員たちに差し入れすることも。「この間も作りましたよ」と見せてくれた写真には、大皿にきれいに並んだだし巻き卵に、硬筆5段の実力でしたためた労いのメッセージが添えてあった。