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綾瀬 人物風土記

公開日:2019.11.15

会長として綾西自治会の50周年に立ちあった
太田 淑夫さん
綾西在住 67歳

世界も自治会も柔和に

 ○…自治会が商店街で記念式典を開いた。ありそうでない話だ。活動が盛んな自治会の話では「先輩方がつくりあげてきたもの」と繰り返し、市長や代議士、県議、市議を招いた式典にも「いいお天気で良かった。みんなで頑張ってきましたから」と安堵の言葉が第一声だった。来賓の祝辞で「綾西らしい」と称えられた瞬間、頬が緩んでいた。

 ○…横浜から綾西に引っ越してきた50年前は学生だった。三重から上京した父がこの地にマイホームを購入。両親と妹の家族4人で新たな生活が始まった。横浜国大を卒業して富士通に入社。結婚2年目で妻子を伴い当時の西ドイツ、ミュンヘンに赴任し、現地で2人目の娘が産まれた。ロンドン、北京にも駐在しそのたびに家族で新天地を開拓してきたが「私は仕事ばかりでしたが」と肩をすくめた。

 ○…67歳の今も富士通で人材育成に携わり、母校の国大にあるNPO法人で事務局長も務め、週に2〜3日出勤する。くじ引きで自治会の体育担当者を決める際、高齢の住民が当たりを引いた。「見るからに体育は大変そうだ」と感じその場で役を買って出た。自治会活動は現役時代にそれがスタート。「50代も過ぎれば土日はちゃんと休めるから、全く苦にはならなかった」と、小さくゆっくりうなずいた。

 ○…後進の指導では「見えない所で社会を支えている」ことを説き、日本を含む国際社会が推進する「SDGs(エスディージーズ)」(持続可能な開発目標)を引き合いに「仕事で17個すべての目標に関われる。楽しく目標に向かおう」と語りかける。自治会では「いろんな考えがある」と前置きし「理屈より協調性」とまとめた。傾聴ボランティア「響」の会長も務める。妻と娘2人の4人家族。

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