厚木市上荻野を拠点に「花鳥の日本画家」として活躍した熊坂東以さん。熊坂さんの活躍を多くの人に知ってもらおうと10月20日(日)まで荻野公民館で初めての作品展が開かれている。
1907(明治40)年愛川町中津で農家の家庭に生まれ、女流画家・小倉遊亀に師事。88歳で亡くなるまで絵ひとすじ、多くの作品を残してきた。
熊坂さんが日本美術院展覧会(院展)に初めて入選したのは33年。院展では秋季に30回、春季に20回の入選を果たすなど、受賞歴は多数。78年には厚木市民文化章を受章した。
熊坂さんは「付立て」という技法で鶴や鷺、おしどりなどを彩色で描き、線をいかにうまく生かすかを心がけた。もともとアフリカで原人を描きたかったがかなわず、オランウータンを描くなどユニークな一面も。オリジナルの題材を見つけることで絵の新しい価値を生み出そうと必死だった。金箔をオランウータンの絵に散りばめることもあった。
熊坂さんの唯一の弟子だった上荻野在住の日本画家・天利重子さんは「一歩も二歩も時代の先を見据え損をしたこともありましたが、それが美学だったのでしょうね。厳しくとも温かく優しかった。人生を絵に注がれた先生」と振り返る。
会期中は、葉書サイズから150号まで約60点の作品が展示される。午前9時から午後5時。入場無料。問合せは、同館【電話】046・241・1030。
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