小田急多摩線 本厚木への延伸を 4自治体延伸促進連絡会が要望
相模原市、厚木市、愛川町、清川村の4自治体で組織する「小田急多摩線の延伸促進に関する連絡会」が状況報告をまとめ、延伸ルートについて本厚木駅への接続を目指し、具体的なルートの検討や要望を進めていく方向性を固めた。愛川町と清川村では10月8日から、この報告をホームページで公開している。 鉄道の整備は、国の交通政策審議会答申を基に進められる。
小田急多摩線については2000年に運輸政策審議会(現在の交通政策審議会)の答申第18号で同線終点の唐木田駅からJR横浜線・JR相模線方面への延伸が「今後整備を検討すべき路線」と位置付けられ、2006年度から町田市、相模原市、鉄道事業者等で組織する「小田急多摩線延伸検討会」がJR相模線上溝駅までの検討を進めてきた。
上溝駅から先については、田名地区を経由して愛川・厚木方面への延伸を目指し、2009年に同連絡会を設置。2015年度に予定されている交通政策審議会答申に位置付けられるよう、基礎資料の準備に取り組んでいる。
今回の状況報告では、延伸の到達点を本厚木駅としたが、具体的なルートは未定。地域の拠点や町づくりの将来像を踏まえた長期的な展望に立ち、具体的な検討を図っていくという。
路線の整備効果としては、移動時間の短縮や移動費用の縮減、まちの賑わいの創出、代替経路確保の可能性などをあげている。
また、今後の検討課題としては、人口減少社会の進展や事業性の観点から、「需要の確保」「事業費の圧縮」「沿線まちづくりの検討」などをあげ、各課題への解決へ取り組む。
鉄道がない愛川町と清川村にとって、小田急多摩線の延伸が実現されれば交通の利便性向上や町の活性化が期待できる。
同町では2013年、町内21の行政区と22商工団体の代表者らによって「愛川小田急多摩線延伸促進協議会」が発足。今年2月に町民を対象に署名活動を行い、1カ月で町人口の4割を超える1万8千6人の署名を集め、7月に小野澤豊町長へ手渡すなど、町民の長年に渡る願いを形にしてきた。
9月には相模原市の在日米陸軍相模総合補給廠の一部が返還され、小田急多摩線の延伸加速が期待されている。愛川町企画政策課では「唐木田から上溝の延伸に向けた環境が整ったことは、上溝以西の地域についても良いニュース」と話す。