半原宮大工矢内匠家14代曾孫弟子の鈴木光雄さん(77歳)が10月30日、第58回全国建築士会石川大会で伝統的技能者表彰を受賞した。半原宮大工の技術を継承し、後世への伝承に努めていることが評価された。
この表彰は(公社)日本建築士会連合会が行っているもの。地域社会に貢献し卓越した技能を持つ技術者を対象としており、今年は全国から28人が選ばれ、神奈川県からは鈴木さんが唯一の受賞となった。
鈴木さんは、中学卒業と同時に半原宮大工矢内匠家14代孫弟子である親戚の下で修行の道に。
江戸城の普請や県内外の神社仏閣など数々の功績を残した「矢内匠家」。その技を様々な現場を通して継承し、独立してからは神社仏閣の修繕などを手掛けたほか、一般の住宅も建てるなど幅広く腕を振るった。現在も半原の大光工務店を経営し、息子の文雄さんとともに汗を流す。
「高度で特殊な技術を持つ宮大工のことをもっと知りたい」と、矢内匠家5世代200年の足跡を本格的に調査して20年以上。2009年には書献や建造物などをまとめた「半原宮大工矢内匠家匠歴譜」を自費出版し、町郷土資料館などに寄贈した。
矢内匠家の功績を伝えるため、各地での講演や実際の建物を活用した解説を積極的に行うほか、建築学科の大学生や教授が学びに来た時には丁寧に宮大工の伝統技を教えるという。
鈴木さんは「大きな賞をいただけて嬉しい。矢内匠家のことを後世に伝えていくために、これからもがんばっていきたい」と話す。
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