子育て世代の移住・定住促進の強化を図るため、清川村と積水ハウス株式会社神奈川シャーメゾン支店(厚木市)が「連携と協力に関する包括協定」を結び、3月11日には村生涯学習センターせせらぎ館で締結式が行われた。
村が策定を進めている将来の「人口ビジョン」では、2025年に村の人口が3000人を下回り、2040年には約2200人まで減少。65歳以上の老年人口が生産年齢人口(15歳以上65歳未満)を上回ると推計している(社人研推計値)。
そのため、村では2040年の人口3094人を目指して各種施策を計画。子育て世代の移住促進は、村の最重要課題の一つに掲げている。
昨年9月には、厚木市との境となる舟沢地区で村初の宅地販売を開始した。子育て世代なら最大で400万円の減額を受けられる制度を打ち出したが、販売は苦戦している。
村では新年度予算で「子育て世代型村営住宅整備事業」として1億円の予算を計上し、メゾネット型の村営集合住宅の整備を予定している。
村政策推進課では「いきなり戸建住宅を建てるというのはハードルが高い。まずは賃貸住宅に住んでいただき、清川の良さを知ってから戸建に、という流れを作れたら」と話す。
しかし、若い世代の移住ニーズの情報収集など、行政単独では難しい部分もあり、村では昨年秋頃から、民間との連携を模索してハウスメーカーへ協定の打診を行っていた。
情報交換や職員研修も
今回の協定では、国内最大手のハウスメーカーである積水ハウス株式会社と連携することで、相互のノウハウや情報を相互活用するとしている。
連携事項は「住宅・環境整備」のほか、「少子化対策・子育て支援」や「地方創生」「シティプロモーション」など8項目。村の各種施策について情報交換の場を設け、同社がアドバイスを行う。
さらに、今後は村職員への研修会など様々な展開も検討している。
同社と地方自治体との連携協定は、栃木県高根沢町などの例がある。
締結式で石井真樹支店長は「地域貢献の一環として協定を結ばせていただいた。清川村は子育て支援施策が充実しているので、きちんと情報発信を進めていけば道は開けるのでは」と話す。近年は土地から家づくりを進める例も多く、同社展示場モデルハウスでの村のPRも視野に入れているという。