無補給単独徒歩での南極点到達を日本人で初めて達成した愛川町出身の冒険家、荻田泰永さん(40)に2月7日、愛川町では初となる町民栄誉賞が授与された。町役場での授与式では、荻田さんが冒険の様子などを語った。
荻田さんは田代出身。18年間で15回の北極行を経験し、踏破距離は9000Kmを超える。現在は北海道鷹栖町を拠点に、北極点無補給単独徒歩到達への挑戦など活動を続けている。
昨年11月、自身にとって初のフィールドである南極大陸で無補給単独徒歩での南極点到達に挑戦した。装備を載せた約100kgのソリをひき、極寒のなか50日間かけて1126Kmを踏破。日本時間の1月6日、日本人初の無補給単独徒歩での南極点到達を成功させた。
愛川町では、今回の荻田さんの功績をたたえるため、新たに町民栄誉賞に関する規則を創設。授与式が行われた2月7日は、小野澤豊町長をはじめ町職員が荻田さんを出迎え、荻田さんの同級生だった町職員らが祝福の花束を贈った。
あいさつに立った小野澤町長は「多くの町民に感動と勇気を与え、若者に夢と希望を与えていただき、町民を代表して感謝を申し上げます。体調に気をつけて、ますますの活躍を祈念しています」と、今後の活動にむけてエールを送った。
町民栄誉賞を受けて荻田さんは「ありがとうございます。この町で生まれ育った生粋の愛川っ子で、子どもの頃は仏果山や中津川など自然のなかで遊んでいました。愛川町の豊かな自然を活かせば、もっと面白いことができるはず。町にも若者のチャレンジをサポートする仕組みをぜひ作っていただきたい。私の力が必要でしたら、喜んで協力します」と語った。
また、その後の懇談では「今回の南極では、事前の想定を大きく外れることなくゴールできた」「過酷な環境では、自然に抗うのではなく、受け入れる。立ち向かう強さよりも、柳のようなしなやかさが必要」など、これまでの冒険から得た経験談を話した。
荻田さんは今後、無補給単独徒歩での北極点到達を目指しつつ、来年春には若者を連れて北極圏を歩く冒険を企画している。「自分も22歳の時に大場満郎さんの北極圏冒険に参加して世界が広がった。今度は自分が連れて行く立場になって、受けた恩をつないでいきたい」と荻田さんは話す。
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