自治会の加入率低下に悩む地域が多いなか、愛川町の六倉区(平川利夫区長)が今年5月から、自治会加入者を対象にした独自のポイントカード制度をスタートした。自治会加入のメリットを強化することで、加入促進を図る。
愛川町には21の行政区があり、それぞれの地区で自治会が活動している。町行政推進課によると、2018年4月1日現在の町全体での自治会加入率は58%。六倉区の加入率は40・1%と、町内で最も低い状態だ。
平川区長が昨年区長に就任した際、近年の加入率低下に驚いたという。「災害など、いざという時には地域の助け合う力が必要です。そのためには、地域の人たちに繋がりがあることが大切。そんな自治会のメリットが、今は伝わりにくい時代なのかも知れません」と平川区長は分析する。
そこで平川区長は、過去のアンケート結果や自治会役員経験者との相談などを経て、「自治会に加入することの具体的なメリットを作ろう」と決意。具体策を探していたところ、新聞報道である自治会連合会が独自のカードを発行し、地域の店舗での優待制度があることを知った。
早速、同様の制度を実現しようと平川区長自ら地域の店舗に声を掛けて歩き、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、米店、畳店、リフォーム業者などから協力を得た。協力店でカードを提示すると、各店で特典が受けられる。
更なる特典の強化を考えたが、住宅地である六倉区では協力店舗の拡充に時間がかかる。そこで、盆踊りや体育祭、区民展など、地域行事に参加するともらえるポイント制度を追加。5ポイント集めるごとにプレゼントを進呈することにした。
この独自のポイントカードは、既に六倉区の自治会に加入する約720世帯に1枚ずつ配布されている。
スタートからおよそ2カ月だが、「協力店さんから、カードを持ったお客さんが結構来ているという声を頂いています。自治会の加入率も上がる。お店にもメリットがある。そうなっていけたら」と平川区長は話す。
同区では自治会への加入者や、制度への協力店舗を現在も募集している。問い合わせは【電話】046・285・0742(平川区長)または【携帯電話】090・6162・0655(山内さん)へ。