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鎌倉と源氏物語 〈第1回〉 「鎌倉の源氏物語」との出逢い

掲載号:2015年12月11日号

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称名寺境内の反橋(2009年撮影)
称名寺境内の反橋(2009年撮影)

 「武士の都」として知られる鎌倉ですが、『源氏物語』と深い関係があることはあまり知られていません。文化薫る歴史を辿ります。

 印刷技術のない時代、古典は写本によって伝わります。紫式部が書いた『源氏物語』には原本がないのをご存知でしたか?今に伝わっているのは「青表紙本源氏物語」と「河内本源氏物語」という2大写本と別本系統の写本によります。

 私自身、このことを知ったのは1990年に県立金沢文庫新館記念の企画展へ行った時でした。徳川御三家のひとつ、尾張家が所蔵していた「尾州家河内本源氏物語」が展示されていたのです。現在はその縁で名古屋市蓬左文庫に所蔵されています。

 写本の美しい筆跡に目を奪われていた私はさらに驚きます。この『源氏物語』が鎌倉時代に作られ、金沢文庫に収められていたものの、鎌倉幕府滅亡時に流出したというのです。「鎌倉は武士の都」というイメージはこの時、覆されました。

 この写本には1258年に北条実時が書写した旨の奥書があります。実時といえば鎌倉幕府の武将。制作年代もはっきりしているため、国の重要文化財に指定されています。

 時の将軍は第6代宗尊親王で、執権が時頼・長時・政村の時代。実時は小侍所別当として将軍につかえる重要な役職に就いており、自ら創建した称名寺の隣に金沢文庫を創設します。

 次回はその実時について掘り下げます。

織田百合子
 

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