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鎌倉のとっておき 〈第122回〉 鎌倉と御家人〜南部氏〜

掲載号:2021年11月5日号

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鎌倉の小町大路にある「日蓮上人辻説法跡」
鎌倉の小町大路にある「日蓮上人辻説法跡」

 源頼朝が鎌倉に本格的な武家政権を樹立すると、鎌倉には御家人達が集住し、やがて各地の所領と関係を深めていった。今回取り上げる南部氏も鎌倉に勤仕していた一御家人である。

 南部氏は甲斐源氏の加賀美遠光の三男といわれ、甲斐国巨摩郡南部(現在の山梨県巨摩郡南部町)を所領とした南部三郎光行を祖とする。

 光行は源頼朝に従い奥州合戦などの軍事や、鎌倉で行われる儀礼に奉公し、恩賞として各地に所領を得ていった。

 光行の子、実光は奥州の所領を受け継ぎ、三戸南部氏の祖先となる。三戸南部氏は現在の岩手県盛岡の礎を築き、盛岡藩(南部藩とも)として繁栄した。

 実光の弟、実長は、父より甲斐国巨摩郡波木井郷を譲られ、鎌倉で将軍家に勤仕する日々の中で、日蓮の辻説法を聞き、深く帰依したという。そして日蓮を波木井郷に招き草庵を結んだ。

 これが日蓮宗の総本山、身延山妙法華院久遠寺のはじまりである。

 弘安5(1282)年、死期が近いことを悟った日蓮は、9年におよぶ実長の献身的な姿勢に感謝し、最後の手紙を送っている。そして実長は日蓮の死後も、遺骨と遺言を護り続けたという。

 南部氏ゆかりの山梨県巨摩郡南部町や身延町は、里山の自然と南部氏館跡・久遠寺など風情豊かな景観を今に伝えている。鎌倉時代の鎌倉と地域の結びつきが織りなす歴史は、この時代の魅力の一つだといえる。

浮田定則

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