茅ヶ崎市議会議員を4期16年にわたって務めた山田悦子さんが4月17日、腎不全のため急逝した。享年64。議員活動のかたわら、茅ヶ崎を代表する多くのイベントの立ち上げにも携わった山田さん。突然の訃報に、関係者の間に悲しみが広がっている。
山田(旧姓・塩川)悦子さんは1958年、市内芹沢に生まれた。3人姉妹の真ん中で、5つ下の妹・平戸さつきさんは「年は離れていましたが、なんでも言い合える親友みたいなお姉ちゃんでした」と振り返る。
半導体メーカーや広告代理店を経てイベント会社に勤務すると2006年、歌手のaikoさんがサザンビーチちがさき海水浴場で開催したフリーライブの実現に尽力した。「イベントをきっかけに茅ヶ崎をPRしたい」と奔走したが、行政側は規制や周辺住民の苦情を理由に及び腰。その経験が市議会議員への立候補を決意させた。
イベント立ち上げも
07年の初当選後は、県道404号線周辺の市道整備やライフタウンの市境問題など、生まれ育った市北部地域の課題に多く取り組んだ。
また、福祉施策にも力を入れ、小出小学校への特別支援学級設置を実現した。実家の畑を障害者施設に貸し出し、ブルーベリーなどを栽培。障害者が自ら加工・販売まで手がけることで自立を支援する「農福連携」も進めた。
一方、里山公園を会場にしたアメリカンミュージックの祭典「茅ヶ崎ジャンボリー」や茅ヶ崎公園での「アロハマーケット」など、今も続く多くのイベントに立ち上げから携わった。
地域活動にも積極的に参加。女性経営者が集まる茅ヶ崎商工会議所女性会では、10〜11年と18〜19年に副会長、12〜13年に会長を歴任した。現会長の金子朋子さんは「いつも誰かのために動き、人が嫌がることを率先してやってくれた。私のように年下の人間の意見も『そうだね、それいいね』と聞いてくれる、フラットさがあった」と話す。突然の知らせに「まだ信じられない。今もひょっこり顔を出してくれそうな気がする」と表情を曇らせる。
今回の選挙戦でも学生スタッフにアドバイスを求めながら、人気の動画アプリ「TikTok」を活用するなど、常に新しいことへの挑戦を忘れなかった山田さん。
姉の塩川ゆう子さんは「『まだまだやりたいことがある』と言っていただけに無念だと思う。でも色々な人に頼られ、支えられながら、地域のために尽くしたことについては、悔いはないと思います」と話した。
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