遠隔操縦ロボが注目の的 一之宮の(株)コーワテック
寒川町一之宮のコーワテック(株)が開発中の無人遠隔操縦ロボット「アクティブロボSAM(サム)」が注目されている。既存の建機の運転席に搭載するだけで、リモコン操作で建機の操縦が可能になるというもので、操縦レバーは空気圧による人工筋肉で動かす。二次災害の恐れがある中で行う危険な救出作業での『活躍』が期待されている。
災害地で重用
無人操縦が可能なロボット型の建機は存在するが、そのほとんどが一体型の建機で、被災地などで複数の建機を使いたい場合は、必要な数のロボット建機を揃えなければならない。ところが「SAM」は既存の建機に搭載する12kgほどの『運転手型ロボット』で、現地にあるほとんどの建機を動かすことができる優れものなのだ。ロボットの搭載時間は約30分。「SAM」というネーミングは「寒川」と「サムライ」から由来しているという。
先週発生した広島市の土砂災害では、行方不明者の救出作業中にたびたび大雨警報に見舞われ、建機を使う作業を中断せざるおえない状況がみられた。そんな場合でも「SAM」の遠隔操作距離は1Kmを想定しており、今後の災害現場で有効活用されることは明白だ。原発の廃炉作業などにも投入されそうだ。
このロボット開発に対して行政から支援の輪が広がっている。「さがみロボット産業特区」を推進する神奈川県は、統合後に未使用となっていた旧県立新磯高校のグラウンドを実験場所として提供。2ヵ月間「SAM」の試運転の場となった。国土交通省は災害応急復旧に役立つ技術として、次世代社会インフラ用ロボットとして「SAM」を採択し、今秋にも現場検証と評価を予定しているとのこと。
同社は特装車両を設計・製作するプロ集団。水陸両用バス、医療用検診車、移動販売車など様々なカテゴリーの特装車を手掛けており、消防の特殊災害対策車を製作したことを機に、こうしたロボットの必要性を痛感し、昨年から開発を始めた。同社の開発陣は「レバーの動きなど、より一層実用性を高め、早い時期に商品化をしていきたい」と話している。
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