浄土宗寶積山行安寺(倉見)の住職を務める 金田 隆敬(りゅうけい)さん 倉見在住 38歳
地域に開かれた寺院に
○…1581年に阿弥陀堂として創建され、北条家の家臣で倉見の領主を弔うため一寺となしたとされる寶積山行安寺。10月10日(月)に約80年ぶりの晋山式を控える同寺の住職を務める。コロナ禍の2020年4月から従事しており、約2年越しのお披露目に、「やっと皆さまにご報告できます」と微笑む。
○…約2千坪の敷地には、竹林もあり豊かな自然を感じられたが、「夜だと暗く感じられた」という。そこで、「檀家さんや地域の皆さんが安心して来寺でき、安らぎがある場所にしたい」と、寺の顔となる入口付近の整備を着任早々に開始。毎日コツコツ続け、陽の光が差し込む場所へと生まれ変わった。「皆さんとても喜んでくれました。作業時に顔を合わすので、私のことも覚えていただけた気がします」とうれしそう。他にも、本堂内を椅子席にするなど、寺内に新しい風を吹き込んでいる。
○…福岡県遠賀郡芦屋町にある浄土宗大願時の子息として誕生。住職だった父の膝に抱かれ、幼少期から朝夕の念仏を共にし、僧侶としての作法を教え込まれてきた。「昔の時代の話です」と前置きし、「小学生高学年になると夏のお盆時期は一人で檀家を巡っていた」と。「だから夏休みの思い出が無いんですよ」と笑う。その後、「己の人生に迷い」20代中頃でお遍路へ。行程のほとんどを野宿で周り、人々の優しさに触れたことから、「僧侶への心が決まった」と改めて修行を開始した。
○…「未来のことを考えている時間が好き」と言い、寺のバリアフリー化や森林公園のような境内など、これから実現させたい夢が広がる。「ふらっと自由にどなたでも立ち寄れるような、地域に開かれた寺院を作っていきたい」
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