「かながわのまつり50選」のひとつ五所八幡宮の例大祭が29日(金)、中井町で行われる。透かし彫刻や彩色を施した豪華な山車4台が集結。そのなかの宮本の山車は100年前の大火事で焼失、1919(大正8)年に再建されたもので、個人宅にあった記録簿から建造過程が明らかになった。
「宮本地区の青年たちが山車の再建に燃えて活発に活動した経緯を書き残している」。帳簿は同町遠藤の重田眞さんの祖父が記した「花車家臺(やたい)建造記事帳」。今年2月、町文化財保護委員を務める山口隆治さんが判読にあたり、宮本山車管理委員会(一寸木鈴雄委員長)の総会で報告された。
同会顧問の市川正男さんによると、焼失前の山車は江戸後期文化・文政時代の作と伝えられ、山車本体とは別に保管していた彫刻部分は焼失を免れたという。
重田さんの祖父巳代吉は地区を代表して「記事掛建造委員」に就任。1918(大正7)年2月8日の「区長伍長青年評議員支部長の会議 山車屋台建造に決定す」から、翌年3月16日の山車竣成式と祝賀会、決算の完了まで記録を付けた。罫線紙22ページにわたる記事帳では、21回の会合内容や限度額を約750円とした建設費見積り、大工入札、支払い、けやきの良材探しに奔走して役員が静岡へ出張したことなどが分かった。 「山車を末永く大切に保存していきたい」。重田さんは先人の思いを受け継ぐ。
例大祭は午前10時〜午後8時30分頃。JR二宮駅南口から比奈窪行きバスで「五所ノ宮」バス停下車。
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