平塚・大磯・二宮・中井 社会
公開日:2025.08.01
大磯町
朝食から資源循環知って
飲食店が食料残さ活用
大磯町のSALO食堂(大磯1665の2)と町内の養鶏場「PARKLIFE PRODUCTIONS」が連携し、野菜の切れ端などを鶏の餌等に活用中。資源循環の取り組みをより広めるため同養鶏場の卵を使った朝食の提供を7月から始めた。
SALO食堂の西野聡さん(37)は、料理長として大手温泉旅館に勤務していた際に、日々廃棄となる大量の食料を目の当たりにし、心を痛めた経験がある。「見た目が綺麗な料理を作ろうとすると、どうしてもロスが増える。家庭とは比べ物にならないくらいの量で、飲食業を辞めようと思ったことさえある」と話す。
SALO食堂ではこれまでも、ジャガイモの皮を揚げてポテトサラダの食感に変化をつけたり、野菜の切れ端をドレッシングにしたり、ピューレに使ったりと工夫を続けてきたが「返って手間がかかることも多く、限界があった」と西野さん。
卵の仕入れ先でもあり、すでに農家やそば店から規格外品や出汁がらなどの食品製造副産物を仕入れて飼料に活用していた同養鶏場の理念に共感したことから、今年4月から野菜や魚などの廃棄食材の提供を始めた。魚のアラや内臓は鶏にとって貴重な動物性タンパク質にもなるという。
7月5日からは、資源循環の取り組みをより広めるため、週末限定で「朝食プレート」を提供。同養鶏場の取り組みや卵のおいしさを伝えるため、前職の旅館で培った技術を生かした口溶けの良いオムレツがメインだ。大磯産の野菜を中心にした構成で、オムレツのトマトソースにはさまざまな野菜の切れ端が溶け込み、味に深みを出しているほか、ポテトサラダのジャガイモは皮付きのまま素揚げしたものを使い、廃棄を出さないなど工夫は継続中。
西野さんは「大磯町内の資源循環を実践しながら、美味しい食材を使った料理を提供していきたい」と話していた。
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