小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2015.03.14
小田原市・農政課から浪江町・介護福祉課に派遣
大島佳祐さん(26)
町全体が避難指示区域となっている浪江町は、役場の機能が二本松市に移されている。大島さんは、震災による直接死に加え、避難移動中や避難先で亡くなる”震災関連死”に対して支払われる「災害弔慰金」の申請を、全国各地に避難している町民から受付けている。
震災直後から亡くなるまでの経過を調べ、委員会に諮った結果を伝える仕事は、「(町民と)ある程度の距離感を保たないとやっていけない難しさがある」。遺族に肩入れしすぎては、公平さが保てないためだ。「弔慰金はいらないから、せめて関連死と認めてくれよ」。絞りだすような訴えに、苦しい思いも味わった。
赴任当初は苦労した福島の訛りにも「徐々に慣れてきました」と笑顔をみせる。標準語で話すとよそ者と判断され「苦労もわからないくせに」と言われる一方で、「遠いところから応援に来てくれて、と言ってもらえるのはやっぱりうれしい」と、噛みしめるように語る。
町への帰還意向調査には年々変化が見られる。「帰りたい」と答える高齢者に対し、「帰りにくい」「帰っても仕事がない」と答える人が増えているのが現実だ。変化していく被災地の事業に、真摯に向き合い続ける。
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