第2回関東オープン選手権メンズフィジーク大会が7月3日、埼玉県の志木市民会館パルシティで行われ、市内矢作在住の小野間満さん(33)が176cm以下級で優勝した。
フィジークは、鍛え上げた筋肉の大きさを競うボディビルとは異なり、足の先から髪型まで、体全体のバランスを重視する競技。
本格的にトレーニングをはじめ10年以上、「どのレベルまで通用するのか知りたかった」と、初めて大会にエントリーした。約半年間、食事制限も加え、優勝を目指しこれまで以上に自身を追い込んだ。174cm・80kg、胸囲は112cm。大会当日は体脂肪率5%を切っていた。
「ただただ緊張した」と振り返る予選を通過し、決勝のステージへ駒を進めた。規定の4つのポーズで審査員にアピールした。
12人が上がった決勝のステージでは、下位の選手から順に名前が呼ばれていく。一人、また一人と名前が読み上げられる最中も、順にポーズを決め続け、2位の選手の名が呼ばれ、小野間さんの優勝が決まった。その瞬間、ステージ上で大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。「本番当日は、ストイックなトレーニングと食事制限で実はフラフラだった。『無駄な筋肉』と言われ続けたが、やっと評価された」と初優勝の喜びを笑顔で語る。
大会の翌日ももちろん筋トレ。9月に開催される全国大会に向け、動き出した。
原点は「コンプレックス」
「筋トレ」の原点は高校1年の時に遡る。
野球部キャプテンを務めていた鴨宮中学校時代。高校での活躍を想像し、足柄高校野球部に入部した。だが、痛感した周囲とのパワーの差。顧問からも線の細さを指摘された。「レギュラーになりたい」。その一心で、筋トレをはじめ、1年の秋にショートのレギュラーポジションを獲得した。
サラリーマンとして働く今は、出勤前の腹筋・腕立て500回ずつが日課。南足柄の職場へもトレーニングの一環として自転車で通う。これまで破いた作業ズボンは十数本。「またやってしまった」と反省しつつも、大きくなった体を実感。密かに喜びを噛みしめる。西湘地区体育センター、小田原アリーナ、南足柄市体育センターのトレーニング施設を、鍛える部位ごとに使い分けるこだわりよう。
今でも野球を続けているが、バッターボックスに立てば「インコース、インコース」と相手ベンチからヤジが飛ぶ。大きくなった筋肉が邪魔をし、守備も打撃も下手になる一方だそうだ。
365日、欠かすことのない筋トレで、その体に磨きをかける。「食事面などでもサポートしてくれる妻には感謝している」と話すものの、実は奥さん「筋肉嫌い」なのだとか。