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体験レポート【10】 神輿で和を一緒に

公開:2016年10月8日

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 市内のイベントを記者目線で伝える体験レポート。今回は、かまぼこ通りで初めて開催された「おだわら宿場祭り」で神輿を担いだ。

 威勢の良い野次を飛ばす荒ぶる男たちに揉まれながら、担ぎ棒にしがみつきかまぼこ通りを駆け抜けた。何百kgもあるという神輿も、普段出すことのない大声を腹の底から張り上げていると、不思議とそんなに重く感じない。担ぎ手の一体感が何とも言えず楽しく、かいた汗も清々しい。

 担ぎ終わった後には互いに「お疲れさま」と笑いながら肩を叩きあい、帰着した公民館では、かまぼこ通り自慢の練り物や塩辛が、酒と一緒に振る舞われ宴の席へとなだれこんだ。

***

 神輿の動きは船や波を模しており、独特の担ぎ方をするのが小田原流。かまぼこ通りを含む旧町内と呼ばれる一帯が氏子の松原神社の例大祭は、元は漁師の祭りだ。

 担ぎ手の中には現役の漁師もいるが、職人やサラリーマン、自営業、学生などさまざま。年々減少していく担ぎ手を、外から募っている地域も少なくない。

 今回の祭りは、萬町(よろっちょう)と高梨町の2基の神輿に、万年地区を中心に有志が集まった。地域の小さな祭から大きな浜降祭でさえ、さまざま袢纏が確認できる。「神輿会」として、担ぎ手を互いに補充し合う付き合い方もあるようだ。

 2、30年前、祭といえば宮小路には出店が所狭しと立ち並び、宮入前の青物町通りは神輿の見物客でごったがえしたという。それも年々減少傾向にあり「神輿が格好良い、大きくなったら担ぎたい」と思うような子どもたちも減っているのでは、という人もいた。

 宴の席で、それぞれが「うちの神輿は…」と誇らしげに話していた。自身が属する自治会ではないが「自分の住む地域に神輿がなかったので、十数年担ぎ手として通っている」という人も同様だった。周囲も「地域の人」として受け入れ、分け隔てない。「昔からの仲間のように接してくれるのがうれしい。輪が広がったし、仕事に繋がったことも少なくない」と話していた。

 小田原では神輿を担ぐ機会も多い。担ぐことであたらしいネットワークも生まれる。街の歴史やディープな情報、裏事情などを知ることもできる。小田原に生まれた人もそうでない人も、歴史のある街に関わったことを幸運に思い、一度は体験しておくべきだと感じた。
 

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