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悲願の全国、あと1歩届かず 相洋高サッカー&女子バレー

スポーツ

公開:2016年11月19日

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延長後半、相手ゴールに迫った川本大夢君(2年)  =三ツ沢球技場
延長後半、相手ゴールに迫った川本大夢君(2年)  =三ツ沢球技場

 快進撃を続けてきた相洋高サッカー部と女子バレーボール部が、全国大会にあと1歩届かなかった。サッカーは、選手権県予選決勝で桐光学園高に延長戦の末に0-1と敗れ、バレーは出場権を懸けた準決勝で川崎橘高に0-2で涙をのんだ。

 悲願の全国初出場へ向けて決勝に挑んだサッカー部に立ちはだかったのは、全国常連の桐光学園高。試合開始早々、クロスバーを直撃する強烈なシュートに見舞われて肝を冷やすが、相洋は臆することなく攻め、前半20分には菅井涼介君(3年)が相手ディフェンダーを巧みにかわしてシュートを放つ。惜しくも枠を外れるが、積極的な姿勢にスタンドも沸く。その後は互いに攻め手を欠き、スコアは動かず前半が終了した。

 後半に入ると相洋は細かなパス回しから攻撃のリズムを作る一方、試合巧者の桐光に幾度もゴールを脅かされる。しかし、試合前に「楽しもうぜ」と周囲を鼓舞したゴールキーパー・田代将太郎君(同)の好セーブや、集中した守備で得点を許さない。

 約1000人が訪れたスタンドから途切れない応援が響く中、決勝戦らしい緊迫したゲームは前後半では決着がつかず延長戦へ。たった1枚の全国行き切符を懸けて互いに譲らない展開の中、残り3分を切った延長後半7分、ついに桐光にゴールを許す。それでも最後まで闘志を失わずに走り続けた相洋イレブンだったが、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り選手はピッチにうずくまった。

想いは後輩へ

 試合後、前線で躍動した菅井君は「勝てなくて悔しい」と下を向き、渋谷拓海主将は「足が動かなくなる時間もあったが応援が力になった。勝って恩返ししたかった」と話した。涙に暮れる選手らの肩を抱き励ました市川航太君(3年)は「ベンチ入りできなかった選手には、一年間頑張ってくれてありがとうと伝えた」。1年生で唯一出場した瀬戸魁人君は、「3年生が連れてきてくれた。来年は絶対に全国へ行く。再来年は自分たちが最上級生として引っ張る」と声を振り絞った。

 敗れたものの、創部70年で初の準優勝を果たした綱島陽介監督(40)は、「押し込まれる展開はわかっていたが、選手は100%の力で粘り、後輩に戦う姿勢を見せつけてくれた。人生の良い経験になったと思う」と選手を称えた。

 また、桐光の鈴木勝大監督も「いつやられてもおかしくない危機感があった。初めて対戦したが、こういう相手が自分たちを強くしてくれるのだと思う」と相洋の印象を語った。

定年間際に大舞台

 相洋史上初の選手権予選決勝を、ベンチから見つめた市川秀樹総監督(59)は、定年により今季限りでチームを退く。30年ほど前に同校教員となり、サッカー部を指導し続けた。振り返れば、チームを組むのに選手が足りなかったり、初戦負けを喫したりするときもあった。

 それでも、情熱を持って生徒たちと向き合い、チームは徐々に結果を残すようになった。「県でベスト8や4に入れるようになってきて、選手も集まるようになった」という。最後の年の相洋サッカー躍進に、「退職前にこんないいステージで試合ができて感無量。今まで続けてきてよかった」と思いを巡らせた。

選手、ベンチ、観客、マネージャーも一体に

 ”春高”を狙った女子バレー部は12日、藤沢市秋葉台文化体育館で行われた準決勝の川崎橘高戦に臨んだ。

 県2校が全国の切符を得られるバレーだが、近年は大和南高と橘が2強を形成。その一角崩しを狙った相洋だったが、大舞台での経験で上回る橘が、試合を常にリードして進む。

 第1セットは19-25。飯塚博幸監督(67)が「セッターとセンターのコンビがうまくかみ合わなかった」と振り返り、続くセットも同じく19-25で落とし、0-2で敗れた。試合後、中川由貴主将(3年)は「自分たちのバレーができなかった。大舞台での緊張もあった」と悔し涙を流した。

 全国の扉をこじ開けられなった相洋だが、過去最高のベスト8を上回る4強に進出したチームには、多くの声援が送られた。

 「こんなに多くの人に応援してもらいうれしかった」。ライトのポジションで出場した高橋郁佳さん(同)は、生徒や保護者ら約200人がつめかけスタンドからの後押しを力に変えた。小学5年生からバレーを始め、今大会で競技をやめる佐々木瑶さん(同)も「全国を懸けて戦うのが夢だった。楽しくプレーできた」と笑顔を見せた。

「楽しいチームだった」

 応援席には、3年間選手たちを支えてきたマネージャーの阿部舞さん(3年)と市川未来さん(同)の姿もあった。これまでマネージャーがいなかった部に入った2人は、練習時のボール出しや試合でのデータ収集、けがの処置などでチームをサポートし、選手たちとともに戦ってきた。阿部さんは「みんな部活を一生懸命やってきて、苦しい時期も乗り越えてきた。ここまで来られたのはすごい」と仲間を称え、市川さんも「ほかのチームに比べると明るく元気なチームだった」と話した。

 2人の姉が大和南で全国に行った中川主将は、相洋を牽引して全国を目指したが、夢は叶わなかった。「姉に肩を並べることができなかったけれど、笑顔が多く楽しいチームだった。ここまで支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたい」
 

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