白山中学校のシンボルであるプラネタリウムが、完成から50年経過。老朽化で撤去も検討されていたが、存続を願う学校や地域の連携で補修が進められ、11月11日(土)に復活を迎える。
火災による焼失を経て、1967年に建設された新校舎。創立20年の節目にもあたり、学校はある篤志家から投影機寄贈の申し出を受ける。これを機に20周年事業推進委員会が地域に呼び掛けて建設費などの資金を調達。地域の善意により、プラネタリウムドームが屋上に完成した。同中の卒業生でもある西村泰和校長(58)は、「体験型教材が少ない時代、プラネタリウムが学校にあるのは印象的だった」と在校当時を振り返る。
宇宙について学ぶ3年生を中心に授業で活用されてきたが、使用頻度は次第に減少。ドームの天井からは雨漏りし、床も腐るなど劣化が進んでいった。
開かずの間と化したドームに、久々に星空が映し出されたのは7年前。「せっかくある施設を活用しよう」とPTA役員を中心に一部を補修し、白山中学区(足柄小・芦子小・久野小)の交流イベントで上映すると大盛況だった。復活を待ちわびた地域の思いを実感する機会になったものの、本格的な補修には多額の資金が必要。再び扉は閉ざされた。
協力者が続々
今春、市教育委員会から受けた提案は、屋上の防水工事実施に伴うドームの解体。西村校長は「地域の熱意がこもった施設。何とか残したい」とかけあい、その思いが理解されたという。
これが契機となり、PTA会長の大木健一さん(43)は本格復活を地域へ相談。反対も覚悟したというが、実現に向けたアイデアが飛び交った。資金はPTA会費だけでは賄えず、地域に寄付を呼び掛けると反響も上々。足場設置などの作業は、「母校でもあり孫もお世話になる」と建設関係の仕事に就く穂田芳雄さん(73)が「ほぼ材料費のみ」で買って出た。ドーム内の塗装は小田中大直教頭(54)やPTAも参加。屋上に続く階段の壁には、3年生の吉原侑希さんが考案した絵を美術部員が描いた。
多数の有志を得て構想からトントン拍子で迎えた復活に、「プラネタリウムで地域がつながったことが一番うれしい」と大木会長。11日に白山中学区の交流祭で小学生対象に披露された後、授業でも活用される予定だという。
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