小田原市下曽我在住の青木友哉さん(16)が、1月31日から2月7日にスイスのモントルーで開催される「第49回ローザンヌ国際バレエコンクール2021」に出場する。日本人男子で参加するのは、わずか6人。今回は新型コロナの影響で急きょビデオ審査のみに変更となったが、逆境に負けず世界の舞台に挑戦する。
同コンクールはプロを目指す若手ダンサーの登竜門で、受賞者は歴史ある国のバレエ学校に入る資格を得られるほか、多くがプロとして活躍。15・16歳のジュニアと17・18歳のシニアがあり、ファイナルは例年NHKで放送されている。
書類審査も厳しく、出生時からの成長記録や病歴、親の医療記録まで調査され、その後のビデオ選考通過者が予選に参加できる。今回は44カ国399人が応募。うち100人が日本人で女子5人、男子6人が選出された。多くが海外のバレエ学校に所属する中、日本在住者は青木さん含め2人だけだった。
憧れの舞台へ
青木さんがバレエを始めたのは5歳の時。先輩の発表を見たのがきっかけで、バレエスタジオ「ダンスナッツ」(秦野市)に入った。しばらく習い事の範囲を出なかったが、小6のコンクールラストの失敗が転機に。
「本当に悔しくて。練習不足と自分の甘さを思い知った」と振り返る。それからは暇さえあればプロの動画で研究し、遅咲きながら中2の時にコンクールで初受賞。昨年7月に初優勝を飾るなど努力が花開いた。
ローザンヌ初の日本予選開催を知り、憧れのダンサー熊川哲也さんと同じ舞台に上がりたいと挑戦を決めるも、新型コロナの影響で日本予選は中止に。その後の動向がわからない中、情報収集を続け応募にこぎつけた。
161cmというダンサーとしては小柄な体格だが、「小さくても戦える、夢は諦めなければ追えるという姿を見せたい」と気を吐く。股関節の柔らかさと、しなやかなジャンプ、「ダンスも表現することも好き」という思いが生み出す舞台映えする演技という個性を武器に、世界に挑む。
コロナで状況一変
本番の舞台に向け練習を重ねてきた青木さんだが、新型コロナの影響でビデオ審査のみになる旨が、昨年12月頭に通達された。審査は課題に沿った動画や写真を提出するもので、すぐに撮影用のスタジオや、写真とビデオ撮影の事業者を探すなど対応した。
課題となったのは、クラシックとコンテンポラリーのダンス動画や、型の写真提出。撮影は全て1日で行ったが、写真は一番良いポイントをカメラマンと合わせるのに苦労し、何度もやり直した。体力は限界に達し、最後は気力だけで踊っていたという。
「憧れの舞台に立てないのは残念」と心境を話すが、「ビデオ審査なら身長差を直に比べられることがないので純粋な技術で勝負できるかもしれない」と前向きに語った。
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