戦後まもなく小田原に誕生した「劇団こゆるぎ座」が10月16日と17日、小田原三の丸ホールで創立75周年記念公演を開催。新型コロナの影響で劇団として2年ぶりの公演で、ホールは多くの演劇ファンが駆け付けた。
9月に開館したばかりの新ホールでの演目に選んだのは、『相州名物 小田原提灯縁起』。江戸時代の小田原の城下町を舞台に、町内で起こった「狐憑(きつねつ)き」を発端に、その後小田原の名を全国に広めることになる「小田原提灯」を考案するまでを描いたユーモアたっぷりの創作劇だ。
舞台上で団員は、提灯屋をはじめ下駄、指物、錺(かざり)、漆の職人や、その妻などを熱演。コミカルなセリフの掛け合いにしばしば笑い声がもれ、フィナーレで出演者が勢ぞろいすると客席からは大きな拍手が送られた。
代表の関口秀夫さんは節目の公演を終え、「演劇というものの魅力を伝えたいと劇団員は頑張ってきました。皆様からの多くの応援と励ましをいただき、こんなに幸せな劇団は無いと思っています。感謝でいっぱいです」と振り返った。