ベトナム独立運動の指導者ファン・ボイ・チャウを陰で支えた医師・浅羽佐喜太郎(1867〜1910)を題材にした小説『”約束の海”浅羽佐喜太郎物語』(著・新井恵美子)が昨年12月に出版された。佐喜太郎は、前羽村(現・小田原市前川)に縁があり、前川出身で中井町で江戸民具街道博物館を営む秋澤達雄さん(91)と妻の毬子さん(91)が中心となり、「地元にその功績を知ってほしい」と有志の研究者らと企画した。
佐喜太郎は、静岡県袋井市に生まれ、帝国大学医学大学を卒業した後、前羽村に医院を開業。「困っている人を見過ごせない気質で、治療費を支払えない患者からはお金を取らなかった義侠の医師」だったという。当時、日露戦争に勝利した日本から援助を受けようと来日したベトナム人留学生らも助け、その一人がファンだった。ベトナムはフランスの植民地支配下で日本はフランスと同盟を結んでおり、独立運動家の支援は違法行為。佐喜太郎はベトナム関連の資料を残さず、功績は広く伝えられることはなかった。
埋もれた歴史紐解く
1945年にベトナムが独立し、歴史が紐解かれていく中でファンと交流があった日本人として佐喜太郎が注目され始めた。近年では、2013年にテレビドラマ化されたこともあり、その翌年には小田原市内で企画展が行われた。秋澤さん夫妻はそこで初めて佐喜太郎の存在を知り、「前川に長年住んでいたのに、病院があった場所さえ知らなかった。このままでは佐喜太郎が忘れられてしまう」と焦りを感じたという。
2〜3年前から、地元の有志5〜6人が集い、調査が開始された。日本とベトナムに関する論文や佐喜太郎について書かれた歴史書を取り寄せ、袋井市に残る記念碑を調べるなどし、歴史の空白を1年がかりでまとめた。集めた資料をもとに、小説家で友人の新井恵美子さんに執筆を依頼し小説が完成した。「海外の人にも読んでもらいたい」と英訳も同時に載せたという。秋澤さん夫妻は「小説をきっかけに、さらなる調査への呼び水になれば」と語った。同書は、平井書店と伊勢治書店で販売中(700円)。
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