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公開日:2022.08.27
小田原江嶋
15代目の思い 足柄茶に
関東大震災復興にも寄与
小田原市の「小田原 江嶋」が、この夏から足柄茶の新商品『きんとき』を企画・販売している。この商品には、関東大震災(1923年9月1日発災)からの地域復興に携わった15代当主・江島平八への思いが込められている。
足柄茶は、丹沢・箱根山麓一帯の山間部で栽培されている日本茶ブランド。関東大震災の復興策として、足柄上郡清水村(現山北町)で導入されたことが始まりとされている。現在は各産地で荒茶加工した生茶を「神奈川県農協茶業センター」(山北町)に一元集荷。製茶・ブレンドし、農協関連、直売所、スーパーなど複数の事業者が販売している。その中で「きんとき」は、足柄茶の中で、香りの高い一番茶のみを使用している。
「 江嶋」は江戸時代から続く、お茶と和紙の専門店。その15代目平八は、関東大震災で焼失した店を全国から建築資材を集め、わずか5年で再建させた人物。軒先に梁が突き出る小田原の「出桁(だしげた)造り」は「震災からの復興のシンボル」として、今も受け継がれている。
商品企画のきっかけは、10年ほど前。現在の当主・江島賢代表(56)が足柄茶が全国茶品評会で一等になるまでの歴史を描いた紙芝居『あしがら茶のあゆみ』(2001年制作)と出合ったこと。当時の清水村の茶栽培の苦労などが描かれた中に、「販売先は小田原の江嶋屋に約半分」という一文を見つけた。また、その時の農協職員から「静岡から茶の指導者を繋いだのも15代目では」などの話も聞き、江島代表は「足柄茶の立ち上げにも自分の店が関わっていたのか」と感慨深く思ったという。
昨年に創業360年を迎えたことを機に、地域ならではの商品を考える中で足柄茶の商品企画を思い立った。これまでにも足柄茶を扱ってきたが、独自に商品化するのは初。パッケージには復興の証でもある店舗をデザインした。江島代表は「改めて足柄茶を知ってもらえれば」と話した。
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