6月は衣替えの季節。日本では平安時代の宮中行事から始まり、材質だけでなく、着物の柄選びで季節感を楽しんだという。南足柄市狩野在住の染色家、奥津和子さん(69)は、そんな日本古来の伝統を守っている一人だ。
絵を描くのが好きだった奥津さんは、武蔵野美術大学へ進学。その後、友禅染の染工芸家、吉田勇四氏に師事して、手描き友禅染の技術を学んだ。通常は各工程を分業制作することが多いが、奥津さんは下絵から地染めまで、12工程すべてを一人で手がける。
「手描き友禅の魅力は、世界で1つの作品ができること。染料の原色を何種類も調合し、オリジナルの色で表現できたときが一番嬉しい」と奥津さん。これまで和をテーマに、南足柄市の花リンドウなどを題材に手がけた作品は100点以上。特別注文で成人式や結婚式用の着物を制作したこともあったが、現在は「染額」などの作品が多いという。奥津さんは「着物の需要は減りつつあるが、これからも伝統技術の素晴らしさを伝えたい」と話した。
今日11日から18日(土)まで、小田原市の清閑亭で行われる「artnow2016」で作品を展示中。
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