あしがら写中 Vol.30
新たな公共のあり方について▽2週にわたり1市4町の新年度予算の展望を伝えてきた。できるだけ身近に感じてもらえるよう行政から発表される資料を一旦咀しゃくして、首長のこれまでの考え方も織り交ぜて原稿を書いた。が、苦心した▽本紙発行の足柄上1市4町では開成町を除き人口が減少している。とりわけ山北町では急加速的に人口が減少している。そんななか行政は、住民の暮らしに少しでも明るい光が当たるよう目を配り、心も配っている。特に松田町の新年度予算からはそうした姿勢が見て取れた▽人口は短期的にそれほど増加しない。適正な人口規模もあろう。県西地域の各自治体が限りある人口のパイを争奪するよりも、互いに地域の魅力と強みを知り合い、無い物は委ね、有るものは譲り、省けるものは省き共用することで地域住民の間にも連携の意識が醸成されるはずだ▽南足柄市は自主自立を選び小田原市は中核市移行を断念した。5町も足並みを揃え結束しようとしている。人口減少を受け入れ、それを前提とした新たな公共のあり方を見いだす必要がある。そうした姿勢は必ず次の世代のためになる。