あしがら写中 Vol.39
大地震について▽安全なはずの通学路で9歳の女の子が犠牲になった。大阪府北部地震の揺れで倒壊したブロック塀の下敷きになり即死状態だったという。遠のく意識の中でどんなことを思いながら息を引き取ったのだろうか。こんなにも不幸な被害がなぜ起こったのか、全国の自治体はその理由と真剣に向き合う必要がある。被害者とご遺族の無念さに、ただ手を合わすだけではいけない▽私たちもこの瞬間に大地震に見舞われるという危険の中にある。阪神・淡路や新潟県中越、東北や熊本などこの四半世紀で、私たちは多くの犠牲者から教訓を得てきたはずだ。尊い命を背景に防災意識は飛躍的に高まり、専門性の高い対策も進んたが、今も危険は日常に潜んでいる▽地域に潜むであろう危険に今一度、思いを巡らせて、総ざらいし、安全上必要な財政措置は自治体が優先順位を上げて早急に対応したい。死者5人の内2人がブロック塀、3人は家具などの下敷きになった。地震では、日常に潜む危険で人が死亡していることに目を向けたい。