あしがら写中 Vol.48
D52について▽元新幹線運転士の大石さんは蒸気機関車を「人間に近い機械」に喩えた。関さんは「動いたものを止める訳にはいかない」と、線路延伸に向けた協力を仰いだ。2人は夢の超特急を運転したレジェンドでもある▽山北のD52を再び動くようにした故・恒松孝仁さんは、47年間の保存状態を「無類の極上品」と讃えた。先のトークイベントを企画した延伸協議会の勝又祐介さんは、恒松さんから授かった「こけの1年」という言葉を噛みしめながら2人のレジェンドと相対した▽山北町に宿題を遺した恒松さんの後を継ぎ、鳥取県から整備に訪れる関根利夫さん(70)は「機関車は子どもの面倒を見るように気を使う。かつては機関士を目指す若者が懸命に機関車を手入れしたが、機関士になる目標がない保守だけの仕事ではもはや人は育たたない」と指摘する。大石さんの言葉に戻ればD52はやはり生きものなのだ▽関係者の話を聴き「機関車トーマス」が頭に浮かんだ。D52にも心があると思うと、一層大切に思える。
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