陸上男子5000メートルで東京オリンピック日本代表入りを目指す富士通陸上競技部・松枝博輝選手(26)。
昨年6月に福岡県で行われた日本陸上選手権大会で2年ぶり2度目の優勝を果たし、大きな夢を掴みにかかる一人だ。
南足柄市出身の松枝選手は「運動会ではヒーローでした」という小学生の頃から常に夢を持って走ってきた。岩原小学校時代はソフトボール少年だったが、家族と一緒に箱根駅伝を観戦した時、小田原中継所で目にした初代「山の神」順天堂大学の今井正人選手が果敢に山登りに挑む姿に憧れを抱いた。「自分も今井選手と同じ大学に入って箱根駅伝で5区を走る」と松枝選手は心に決めた。
順大で箱根に
「とにかく負けず嫌いな性格で勝ち負けが楽しく、それが自分を成長させてくれた」という松枝選手。地元の金太郎マラソンやちびりんピックなどにも出場し、幼い頃から夢を追いかけ、岡本中学校では陸上競技部に入部。3年時に全国大会に出場すると、その後進学した相洋高校では800mで全国高校総体(インターハイ)にも出場した。高校卒業後は目標通り、順天堂大学に進学。4年連続で箱根駅伝を走り、幼い頃に抱いた目標を叶えた。
「オリンピックに出場したい」という思いが明確になったのは、実業団に入ってからだ。「大学2年の時に東京オリンピックの開催が決まったけれど、当時の自分は出場権を競えるようなレベルにはなく、実感がなかった」と振り返る。
実業団では、これまで2017年と2019年に日本最高峰の大会「日本陸上競技選手権大会」の男子5000mで優勝。「国内最高峰の大会で勝つことができて、ようやく自分も第一線のスタートラインに立てた」と2度の日本一は自信と手応えにつながった。
しかし、昨年の同大会では1500mとの2冠を目指していたといい「勝ち方にこだわっていたので、素直に喜べない気持ちもあった」と悔しさをにじませたが、昨年のアジア選手権では3位に入賞。日の丸を背負い、世界と戦うことが「憧れ」から「現実」へと変わった。
延期追い風に
東京2020オリンピック・パラリンピックは新型コロナウイルスの影響で来年7月に開幕が延期となったが今後、選考大会で参加標準記録13分13秒50を突破すれば夢の大舞台への出場権が得られる。
松枝選手は「オリンピックに絶対出てやるという気持ちで4年間取り組んできたので、これまで積み上げてきたことを発揮したい」と意気込む。また「一層レベルアップし、出場できるようにこれからも練習を重ねていきます。皆さんの応援よろしくお願いします」と続ける。「待ってろ東京」。自らを鼓舞し、夢へと向かう。
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